新幹線の一番前の席は快適?スーツケースの収納可否や利用時の注意点

新幹線の一番前の席は快適?スーツケースの収納可否や利用時の注意点

最前列の席について「足元が広そうで快適そう」「大きなスーツケースも置けるのでは?」といった期待を持つ方も多い一方で、「壁に向かって座るから圧迫感がありそう」「使い勝手は本当に良いのか?」といった不安を抱く方もいらっしゃいます。

本記事では、新幹線の一番前の席の実際の快適性、スーツケースなど大型荷物の収納可能性、予約方法、そして利用時に注意すべき重要なポイントについて、JR各社の公式情報を基に詳しく解説します。最前列の席を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

新幹線の一番前の席とは?

新幹線の一番前の席とは、各車両の進行方向最前列に位置する座席群を指します。通常は「1A」「1B」「1C」「1D」「1E」などの1列目として配置されており、普通車・グリーン車・グランクラスを問わず、多くの新幹線車両に設けられています。

最前列の座席の最大の特徴は、目の前に他の座席ではなく壁があることです。この構造により、前方からの視線を気にする必要がなく、静かに落ち着いて過ごしたい乗客にとって「隠れ家」のような空間を提供します。

座席と前方の壁との間には比較的広めのスペースが確保されており、足元にゆとりを感じられる設計となっています。ただし、車両によってはN700系などで壁にフットレストが設置されているため、逆に足元のスペースが狭く感じられることもあります。

新幹線の一番前の席は快適なのか?

新幹線の一番前の席の快適性を評価するには、そのメリットとデメリットを総合的に検討する必要があります。実際の利用者の声や専門的な評価を基に、詳しく分析していきます。

最前列席の主なメリット

新幹線の一番前の席が人気を集める理由として、まず足元の広さが挙げられます。目の前に他の座席がないため、空間にゆとりがあり、開放的な気分で座ることができます。特に長距離の移動では、足を伸ばせるかどうかが快適さを左右するため、この点は大きな魅力と言えるでしょう。

また、前の座席がリクライニングしてこないという安心感も重要なメリットです。普通の座席では前の人が思いっきりリクライニングしてきた時に、テーブルの上が狭くなったり、圧迫感を感じたりすることがありますが、最前列ではそうしたストレスとは無縁です。

さらに、テーブルが広いという利点もあります。最前列だとテーブルが大きく、PC、スマホ、さらにお弁当や飲み物を置いても余裕があります。通路側の人が出たいときにサッと片づけられるようにしておけば、何も気兼ねすることはありません。

最前列席のデメリット

一方で、最前列の席にはいくつかの注意すべき点があります。座席のテーブルが前の壁に収納されているタイプが多く、通常の背面テーブルよりもサイズが小さめで安定感に欠けることがあります。ノートパソコンやお弁当を置く際には、少し工夫が必要かもしれません。

また、網ポケットがないという不便さもあります。一般的な座席にある前の座席の背面についている網ポケットやドリンクホルダーがないため、小物の収納に工夫が必要です。JR東日本管内の『トランヴェール』などの無料雑誌も前席背面の網ポケットに設置されているため、最前列では読むことができません。

さらに、ドアの開閉による騒音も気になるポイントです。最前列は車両の出入り口に近いため、頻繁にドアの開閉があり、開閉時の音や人の出入りが気になる場合があります。特に静かに過ごしたい方にとっては、この点が気になるポイントになることもあります。

快適性の総合評価

これらのメリット・デメリットを踏まえると、最前列の席はパソコン作業や読書に集中したい方、足元の広さを重視する方、リクライニングの心配をしたくない方には特に適していると言えます

一方で、静寂性を最も重視する方小物収納の利便性を求める方には、車両中央部の座席の方が適している場合もあります。利用者の優先順位や移動の目的に応じて、最前列の特性を理解した上で選択することが重要です。

新幹線で一番前の席を予約する方法

新幹線の一番前の席は人気が高いため、効率的な予約方法を知っておくことが重要です。JR各社が提供する複数の予約システムを活用して、確実に最前列の席を確保する方法をご紹介します。

その1 インターネット予約サービスの活用

最も便利で推奨されるのは、インターネット予約サービスの利用です。東海道・山陽・九州新幹線では「エクスプレス予約」(年会費1,100円税込)および「スマートEX」(年会費無料)が利用でき、最大1年前から指定席の予約が可能です。

スマートEXでは、乗車日1年前(前年同日)の5:30から予約申込ができます。ただし、座席番号の確定は乗車日1ヶ月前の8:00以降となり、ご登録のメールアドレス宛に通知されます。一方、通常の指定席発売は乗車日1ヶ月前(前月の同じ日)の10:00から開始されます。

JR東日本管内では「えきねっと」、JR西日本では「e5489」などの各社ネット予約サービスが利用できます。これらのサービスでは、シートマップを見ながら座席を指定することができるため、確実に最前列を狙うことが可能です。

発売前の申込みとなる「事前受付」では、座席位置の詳細指定に制限があります。事前受付では「窓際・通路際」「A、B、C、D、Eなどを指定」「座席の並び方」「車両内の位置」のみ指定可能で、シートマップでの細かな座席指定はできません。

また、号車の指定もできないため、確実に最前列を確保したい場合は、正式な発売開始を待ってシートマップから予約することが推奨されます。

その2 駅窓口・券売機での予約

インターネット以外の方法として、JR各社の駅窓口や指定席券売機での予約があります。券売機では座席表(シートマップ)で空席状況を確認しながらの予約が可能です。

ただし、年末年始期間などの指定席発売開始日(特に午前中)は、アクセスが集中するため、シートマップの選択や号車選択が困難な時間帯が発生する場合があります。

最前列の席は座席数が限られているため「けっこう争奪戦」となります。確実に予約するためには以下のポイントが重要です。

早めの予約:発売開始と同時に予約手続きを行う
複数の選択肢:希望する車両の最前列が取れない場合に備え、代替案を準備する
進行方向の確認:路線によって進行方向が異なるため、乗車駅と目的地を確認して正しい号車を選択する

これらの方法を駆使して、理想的な最前列の席を確保しましょう。

一番前の席にスーツケースの収納可否

新幹線の一番前の席でスーツケースを置けるかどうかは、荷物のサイズと車両の構造によって大きく左右されます。現在の新幹線システムでは、大型荷物に対する新たなルールも導入されているため、正確な情報を把握することが重要です。

基本的な収納可能性

結論として、新幹線の最前列には基本的にスーツケースを置くことが可能です。先頭の座席と壁の間には比較的広めのスペースがあり、中型までのキャリーバッグであれば収まることが多いでしょう。

機内持ち込みサイズのスーツケース(概ね3辺の合計が115cm以内)なら問題なく収まりますが、大型のものは厳しいのが実情です。足元にスーツケースを置くことで足を伸ばせなくなり、長時間の移動では疲れやすくなるという点も考慮する必要があります。

特大荷物ルールとの関係

2020年5月から東海道・山陽・九州・西九州新幹線では、3辺の合計が160cm超250cm以内の荷物を「特大荷物」と定義し、事前予約が必要となりました。この特大荷物を車内に持ち込む場合は、「特大荷物スペースつき座席」または「特大荷物コーナーつき座席」の予約が必要です。

特大荷物スペースつき座席」とは、各車両の最後部座席の後ろスペースを荷物置場として利用できる座席です。一方「特大荷物コーナーつき座席」は、車内デッキ部の荷物置場とセットで予約できる指定席です。

ただし、最前列の足元にスーツケースを置く場合、いくつかの重要な注意点があります。

  • スペースの制約:大きめのスーツケースを置くと足元のスペースが狭くなり、快適に座ることが難しくなる可能性があります
  • 周囲への配慮:隣の座席の乗客に迷惑をかけないよう、サイズによっては他の収納場所を検討する必要があります
  • 振動による騒音:スーツケースが壁にぶつかって車内の振動でガタガタと音が鳴り、周囲に不快感を与える可能性があります
  • 通路への配慮:新幹線では「通路にはみ出す荷物の持ち込みは禁止」とされており、通路側に影響が出る場合は乗務員から注意を受ける可能性があります。

以上のことを踏まえると、最前列でスーツケースを快適に収納するためには、以下の戦略が効果的です。

サイズ選択:3辺合計160cm以下の中型スーツケースまでに留める
代替収納の検討:大型荷物の場合は「特大荷物スペースつき座席」(最後列)を検討する
事前確認:特大荷物に該当する場合は必ず事前予約を行い、追加料金の発生を避ける

このように、最前列でのスーツケース収納は可能ですが、サイズと配置に十分な注意が必要です。

一番前の席を利用するときの注意点

新幹線の一番前の席を快適に利用するためには、その特殊な構造と位置による特有の注意点を理解しておくことが重要です。以下、特に重要な3つの注意点について詳しく解説します。

注意1:ドアの開閉による騒音と人の往来

最前列の座席は車両の出入り口に近い位置にあるため、駅停車時の頻繁なドアの開閉が大きな騒音源となります。特に多くの乗客が乗降する主要駅では、ドアの開閉音と人の出入りによる騒音が継続的に発生します。

また、車内を移動する乗客や乗務員の通行も多く、静寂性を重視する方には不向きな環境となる場合があります。集中して作業を行いたい方や静かに休息したい方は、この点を十分に考慮する必要があります。

さらに冬季には、ドアの開閉により冷たい風が車内に入ってくることがあり、座席の位置によっては寒さを感じる可能性もあります。

注意2:テーブルと収納の制約

最前列の座席では、テーブルが前方の壁に収納されているタイプが多く、通常の背面テーブルよりもサイズが小さめで安定感に欠けることがあります。ノートパソコンでの作業や食事の際には、テーブルの大きさと安定性の制約を考慮した使い方が必要です。

また、一般的な座席にある前席背面の網ポケットがないため、小物や読み物の収納に不便を感じることがあります。雑誌や小型の電子機器、充電器などを手の届く場所に置く工夫が必要になります。

さらに、JR東日本管内を走る列車では、前席背面に設置されている無料雑誌『トランヴェール』を読むことができません。これは些細な点ですが、車内での時間の過ごし方に影響する要素の一つです。

注意3:車両の位置による乗降の不便さ

新幹線の車両配置において、1号車や最終号車などの先頭・後尾車両は編成の端に位置するため、利用する駅によっては停車位置がホームのエレベーターや階段から遠い位置になる可能性があります。

降車駅で在来線などへの乗り換えがある場合には、エレベーターや階段などに近い車両に移動して下車準備するなどの工夫が必要になることもあります。特に大きな荷物を持っている場合や、乗り換え時間が限られている場合は、この点を事前に確認しておくことが重要です。

また、先頭・後尾車両は編成の中間にある車両に比べて揺れを感じやすい傾向があります。これは走行中の振動が前方・後方に伝わりやすいためで、乗り物酔いをしやすい方は注意が必要です。

さらに、ホームでの待機時に最前列・最後列の位置を正確に把握しておかないと、乗車時に移動距離が長くなってしまう場合があります。事前に駅の案内表示や座席番号の規則を確認し、効率的な乗車位置を把握しておくことが推奨されます。

他の席よりもメリットがある!

新幹線の一番前の席は、目の前に壁があるという独特な構造により、一般的な座席とは大きく異なる特性を持っています。足元の広さやリクライニングを気にしない開放感、大きめのテーブルなど、多くの魅力的なメリットがある一方で、ドアの開閉音や網ポケットの欠如、駅での位置による不便さなどのデメリットも存在します。

スーツケースの収納については、中型サイズまでは基本的に可能ですが、大型荷物の場合は特大荷物ルールに従った事前予約が必要になります。また、周囲への配慮や通路への配慮を怠らないことが重要です。

予約に関しては、人気の高い座席のため早めの予約が必須であり、インターネット予約サービスを活用してシートマップから確実に選択することが推奨されます。

最前列の席は、パソコン作業に集中したい方、足元の広さを重視する方、リクライニングの心配をしたくない方には特に適していますが、静寂性を最重視する方には車両中央部の座席の方が適している場合もあります。

利用者の優先順位や移動の目的、荷物の大きさなどを総合的に検討し、最前列の特性を理解した上で選択することで、快適な新幹線の旅を実現できるでしょう。

参考文献

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