新幹線のぞみに喫煙ルームはある?廃止された理由も紹介

新幹線のぞみに喫煙ルームはある?廃止された理由も紹介

新幹線のぞみでは喫煙ルームは一切ありません。全ての座席(指定席・自由席)が禁煙となり、車内でタバコを吸うことはできません。この記事では、のぞみの喫煙ルーム廃止理由や他の新幹線の状況、さらに移動中に喫煙したくなったときの対処法も紹介します。

目次

新幹線のぞみに喫煙ルームはある?

現在、「のぞみ」車内で利用できる喫煙ルームはありません。東海道・山陽新幹線の全列車が全面禁煙となったため、のぞみ号でも車内で喫煙することは不可能です。N700Sなど最新の車両にも当初設置されていた喫煙ルーム(3号車・7号車・10号車・15号車)は順次閉鎖され、2024年3月16日以降すべて撤去されました。これにより、のぞみ号では座席はもちろんデッキ等も含め喫煙可能なスペースがゼロになっています。

なお、東海道新幹線では2007年に導入されたN700系から全席禁煙化が進み、2020年には座席での喫煙が全廃されました。その後も喫煙者への配慮として喫煙ルームだけが残されていましたが、最終的に2024年春のダイヤ改正で廃止に至った経緯があります。

つまり、現在のぞみ号を含む東海道新幹線では、移動中にタバコを吸う手段は一切なくなったということです。喫煙可能な指定席や喫煙車両も存在しないため、愛煙家の方は後述する対処法を参考に事前に準備をしましょう。

新幹線のぞみの喫煙ルームが廃止された理由

新幹線「のぞみ」を含む東海道・山陽新幹線の喫煙ルームが全廃されたのには、主に3つの理由があります。以下に安全・健康面、法令上の流れ、利用率の低下という3点を順に説明します。

理由1 安全・健康志向の高まり

近年は乗客の健康志向が強まり、公共交通機関でも受動喫煙防止への関心が非常に高くなっています。鉄道各社も車内の空気を清潔に保つ安全管理を重視するようになり、「すべての乗客がきれいな空気で目的地まで移動できる環境づくり」が求められてきました。

その結果、東海道・山陽新幹線を運営するJR東海・JR西日本・JR九州は2023年に、健康増進志向の高まりに対応する措置として車内喫煙ルーム廃止を決定しています。実際、廃止後の喫煙ルーム跡地には非常用飲料水が配備され、防災対策に活用される計画も発表されています。このように安全面・健康面から喫煙スペース縮小は不可避となりました。

理由2 法令による全面禁煙化の流れ

2020年施行の改正健康増進法により、不特定多数が利用する施設内での喫煙規制が強化されました。この法律に基づき鉄道車内も分煙から禁煙へと移行が進み、違反喫煙には最大50万円の過料(罰金)が科される可能性があります。

鉄道会社もこうした法令遵守の観点から屋内喫煙所のあり方を見直し、例外的に設置していた新幹線車内の喫煙ルームを撤去する方針をとりました。なお、加熱式たばこ(非燃焼式)や電子たばこについても法的には紙巻きたばこと同様に「喫煙」とみなされるため、車内では種類を問わずタバコは禁止です。法令上も受動喫煙対策が強化されたことが、喫煙ルーム全廃の大きな後押しとなりました。

理由3 喫煙率の低下と利用者減

日本全体の喫煙率は年々低下しており、それに伴い新幹線車内で喫煙ルームを利用する乗客も少数派になっていました。JR東海の発表でも「近年の喫煙率の低下」を廃止理由に挙げており、限られたスペースをごく一部の喫煙者のために割く必要性が薄れたと言えます。

実際、東海道新幹線では2020年時点で喫煙席(座席で喫煙可の車両)は全廃済みで、残った喫煙ルームの利用者も年々減少傾向にありました。これらの背景から鉄道各社は「喫煙スペース撤去による利便性低下よりも、全面禁煙による快適性向上のメリットの方が大きい」と判断し、のぞみを含む全列車で喫煙ルームを廃止したのです。

喫煙ルームがある新幹線は存在するのか?

現在、喫煙ルームが設置された新幹線列車は国内に存在しません。2024年3月の東海道・山陽・九州新幹線車内喫煙ルーム廃止をもって、全国すべての新幹線が全面禁煙となりました。

東北・上越・北陸新幹線などJR東日本の路線では比較的早い2007年までに車内完全禁煙化を達成しており、最後まで車内喫煙ルームが残っていた東海道・山陽・九州新幹線も現在は同じ状態です。

したがって、「のぞみ」以外のひかり・こだま・みずほ・さくら等を含め、どの新幹線に乗っても車内でタバコを吸うことはできないと考えてください。

わずかな例外として、新幹線以外の一部特急列車では喫煙設備が残っている場合があります。例えばJRが運行する夜行列車「サンライズ出雲・瀬戸」には2023年現在も喫煙ルームが設置されています。

しかし、新幹線に限れば全社共通で禁煙ルールが徹底されています。駅構内も多くの場所が禁煙化されているため、喫煙可能なのは各駅に設置された専用の喫煙所のみです。

新幹線で喫煙したくなったときの対処法

新幹線乗車中にタバコを吸いたくなった場合、あらかじめ計画して次の3つの方法で対処するのがおすすめです。車内では絶対に喫煙せず、マナーとルールを守って乗車しましょう。

方法1:乗車前や途中駅で駅の喫煙ルームを利用する

乗車前・乗換時に駅構内の喫煙ルームで一服するのが基本的な対処法です。JR東海も「おタバコを吸われるお客様は駅の喫煙所をご利用ください」と案内しており、東海道・山陽新幹線では全ての駅構内に喫煙ルームが設置されています。

特に、東京駅・名古屋駅・新大阪駅など主要駅のホーム上には喫煙ルームがあるため、発車直前まで利用可能です。乗車前に十分喫煙しておけば、のぞみ号の移動(東京~新大阪間で最長約2時間30分)程度なら耐えられるという喫煙者の声もあります。

また、列車の到着後すぐホーム上の喫煙ルームに駆け込むのも一策です。実際、東京~金沢間の北陸新幹線では、出発駅と到着駅のホーム喫煙所のおかげで「約3時間の禁煙も苦にならない」との体験談もあります。このように事前・事後に駅施設を活用して、車内では吸わずに済む工夫をしましょう。

方法2:ニコチン代替製品で凌ぐ

どうしても車内でタバコを吸えない時間がつらい場合は、ニコチン代替製品を活用する方法があります。薬局で買えるニコチンガムやニコチンパッチは、体にニコチンを補給しつつ喫煙によるイライラを和らげる禁煙補助剤です。

例えば、ニコチンガムは潜水艦乗組員が任務中に喫煙できない環境を想定して開発された経緯があり、実際に多くの乗組員が噛むことでタバコ欲求を抑えられたとも報告されています。新幹線の移動中も同様に、ガムを噛んだりパッチを貼ったりすればニコチン切れによるストレスをかなり軽減できます。

最近では煙や臭いを出さない口腔用たばこも市販されており、周囲に迷惑をかけずにニコチン摂取が可能です。これらを事前に用意しておけば、車内で無理に喫煙を我慢しなくても済むでしょう。

方法3:途中下車や時間調整で喫煙タイミングを作る

長距離移動の場合、あえて途中駅で下車・乗り継ぎして喫煙タイミングを確保する方法もあります。のぞみ号は途中停車時間が極めて短く、走行中に降りて一服することは不可能ですが、各駅に停車する「こだま」や一部の「ひかり」なら途中駅で数分間の長めの停車があります。

例えば「ひかり」の中には静岡・浜松・名古屋などで4~7分停車する列車があり、その駅のホーム喫煙所が出口近くにあれば停車中に素早く一服することも理論上は可能です。また、最初から乗継プランを組むのも有効です。東京から博多まで移動する場合、あえて、新大阪か名古屋で一度下車し後続の列車に乗り換えるようにすれば、途中で10分以上の喫煙休憩時間を作れます。

もちろん、所要時間は延びますが、自身の喫煙欲求と移動時間を天秤にかけて計画を立てるのもひとつの手段です。どうしても不安な方は、旅行会社で途中下車プランを相談したり、時間に余裕を持った行程を組むようにしましょう。

新幹線は全面禁煙!

新幹線のぞみには現在喫煙ルームも喫煙席もなく、全面禁煙となっています。これは安全・法令・ニーズ低下の観点から必然の流れであり、他の新幹線も含め車内でタバコを吸うことはできません。

喫煙者の方は、駅の喫煙ルームを最大限活用したりニコチンガム等で代替しつつ、工夫して乗車時間を過ごす必要があります。万が一、車内での喫煙ルールに違反すれば、鉄道営業法に基づき次駅で強制的に降車させられたり、高額な過料の対象となる可能性もあります。そうしたトラブルを避けるためにも、本記事で紹介した対処法を参考に、事前準備をして快適なのぞみ号の旅をお楽しみください。

参考文献

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