LCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパンでは、近年パイロットや客室乗務員によるストライキが発生し、国内線の欠航が相次ぎました。
突発的なストライキは旅行計画に大きな影響を及ぼすため、事前に情報を把握し、もしもの対策を講じておくことが重要です。
本記事では、ジェットスターのストライキ情報が「いつわかる」のか、欠航予定の確認方法、ストによる欠航時の対応策、そしてストライキが起きる理由や過去の事例について解説します。
ジェットスターのストライキとは?
ジェットスターのストライキとは、同社の乗務員労働組合が労働条件の改善などを求めて業務を集団的に停止する行為を指します。労働組合による合法的な争議行為であり、これにより対象便は運航に必要な乗務員が確保できず欠航となります。
実際、ジェットスター・ジャパンでは労使交渉が難航したため組合側が2023年12月22日から2024年1月7日まで一部乗務員によるストライキを実施すると通告し、同社は欠航発生時には予約客にメールで状況を通知し公式サイトでも運航案内を行う方針を発表しました。

ジェットスターのストライキはいつわかる?
ストライキ発生の情報は事前に公表されるのが通常です。 ジェットスターの労働組合JCAは、ストライキを行う際には事前に会社側へ通知し、同社や報道機関を通じて利用者にも周知されます。
例えば、2023年のケースでは、組合がスト実施の可能性がある期間(12月1日〜翌年1月7日)を11月29日時点で会社に通告しており、この情報はニュース等で報じられました。
また、2024年3月に計画されたストでも、実施日前にジェットスター側から利用者への案内と対応策の発表が行われています。したがって、「いつストライキがあるか」は少なくとも数日前には判明し、ジェットスター公式サイトや報道を確認することで把握できます。
ジェットスターのストライキで欠航になる予定の把握方法
ストライキによって欠航になる便を事前に把握するには、複数の情報源を確認することが重要です。 ここでは、欠航予定を知るための3つの方法を説明します。
方法1:ジェットスター公式発表を確認する
ジェットスターではストライキなど運航への影響が予想される場合、「重要なお知らせ」ページで情報を公開し、予約済みの利用者には登録メールアドレスやアプリを通じて通知します。
まず、同社公式サイトの最新のお知らせ欄や「運航状況」ページをチェックしましょう。公式発表にはストライキ実施期間や影響範囲、欠航便が決まった場合の対応策が示されます。
実際、2023年末のストライキ時にもジェットスターは公式サイト上で影響便の運航状況を随時更新し、利用者に最新情報の確認を呼びかけました。公式情報を定期的に確認することで、最も正確な欠航予定を掴むことができます。
方法2:予約の確認機能や問い合わせで確認する
自分の予約している便がストライキで欠航対象になるかは、予約確認ページやコールセンターで直接確認する方法も有効です。ジェットスター公式サイトの「予約の確認/変更」機能では、自身の予約状況をオンラインで照会できます。
ストライキによる欠航が決まった便は「運休」や「Canceled」と表示されるため、早めに察知可能です。また、ジェットスターのコンタクトセンター(電話)やライブチャットに問い合わせれば、オペレーターから最新の運航情報を教えてもらえます。
ただし、ストライキ発生時は問い合わせが殺到するおそれがあるため、可能な限りWeb上の情報で確認するのがおすすめです。
方法3:報道や空港のフライト情報で確認する
ストライキ関連の情報はニュースや空港の案内でも入手できます。信頼できるニュースサイトをチェックすれば、ストライキによる欠航便数や具体的な便名が報じられることがあります。
実際、スト実施中の2023年12月29日時点でジェットスターは国内線9便の欠航を決定し約1,500人に影響が出ると発表しており、この内容がウェブニュースにも速報として掲載されました。
また、主要空港(成田空港や関西空港など)の公式サイトでは当日の発着情報が公開されており、欠航便には「欠航」などの表示が出ます。搭乗予定日の前日夜から当日にかけて空港のフライト情報を確認すれば、自分の乗る便がキャンセルされていないか事前に把握できます。
なお、ジェットスター公式のSNSアカウントで運航情報が告知される場合もあるため、あわせて確認しておくと良いでしょう。


ジェットスターのストライキで欠航になったらどうなる?
ストライキでジェットスター便が欠航になった場合、航空会社から振替便や払い戻しなどの対応措置が提供されます。 ジェットスター・ジャパンでは実際、ストライキにより欠航が発生した際、該当便の予約客に対して以下の対応を行いました。
- 他のジェットスター便への振替
- 航空券の払い戻し
- 他社便・公共交通機関への振替補償
このように、欠航が決まった場合でもチケット代の損失なく移動手段を確保できるよう配慮されています。ジェットスターは利用者に対し「さらなる欠航の可能性があるため、最新の運航状況を公式Webサイトで確認してほしい」とも案内しています。
実際にはJAL(日本航空)がジェットスター欠航便の救済措置として臨時便(羽田〜那覇線)を運航したケースもありました。ストによる年末年始の累計欠航便数は国内線36便・約6,300人に影響と発表されており、代替便や振替輸送の措置が利用者の移動を下支えしました。万一ストライキで欠航となった場合は、焦らず上記のような対応策を確認し、振替便の手配や払い戻し手続きを行いましょう。
そもそもストライキが起きる理由
ストライキは労働者側が待遇改善や不当な処分の撤回などを求め、会社との交渉が行き詰まった際に起きるものです。
ジェットスターの場合、ストライキの背景には人件費や労働環境をめぐる労使対立がありました。実際、乗務員労組JCAは未払い残業代の支払いなどを会社に要求しており、これが満たされないために2023年12月にストライキを実行しています。
また、翌年3月には、組合執行部のパイロットが会社から懲戒解雇されたことを“不当労働行為”と捉え、その撤回を求めてストライキ再開を予告しました(同上)。
このように、賃金や雇用をめぐる対立や安全・労働時間に関する不満がストの引き金になります。ストライキは労働組合法で認められた正当な手段ですが、会社側への影響が大きいため最終手段として行われることが多く、背景には長期の話し合いの不調や組合側の強い危機感が存在するといえます。
ストライキで欠航になった過去のケース
ジェットスター・ジャパンで実際に発生したストライキの例として、2023年末〜2024年初頭のケースが挙げられます。JCA労組は2023年12月22日から翌1月7日まで乗務員の指名ストを断続的に実施し、年末年始の繁忙期に合わせて勤務拒否を行いました。
この結果、12月24〜26日にかけて合計6便が欠航し、年末の12月29日には一日で約15便が欠航して数千人規模の利用者に影響が出ました。最終的に、スト期間中の累計欠航便数は40便以上に達し、延べ1万人近い利用者に影響したと見られます。
このストライキでは、日本航空(JAL)やスプリング・ジャパンが一部路線で臨時便を飛ばし、影響緩和に努めたものの、大晦日の帰省ラッシュに直撃する形となり混乱は避けられませんでした。
なお、2024年3月に計画されたストライキは直前で中止され、大規模な欠航には至っていません。過去のケースからも、ストライキによる欠航は主に繁忙期に発生し、多数の利用客に影響を与えることが分かります。最新の動向にも注意しつつ、スト発生時に備えることが大切です。
別な移動手段を確保しておこう
ジェットスターのストライキ情報は事前に得られますが、予告後に状況が急変し突然の欠航が生じる可能性もあります。旅行当日に予定便が飛ばなくなっても困らないよう、別な移動手段を確保しておくことが重要です。
例えば、振替可能な他社便(例:東京〜札幌間のANA/JAL便)や新幹線(例:東京〜大阪間)の予約をあらかじめ用意し、万一の場合はそちらに切り替えるといった対策が考えられます。こうした備えがあれば、ストライキが起きても旅程への影響を最小限に抑えられるでしょう。
参考文献
- 格安航空券センター「ジェットスター乗務員労働組合によるストライキの影響についてのお知らせ」(2023年12月26日)https://www.airticket-center.com/information/infoDetail.php?id=229&cate=1 (取得日2025-09-05)
- Aviation Wire「ジェットスター・ジャパン、パイロットがスト実施も22日は通常運航 年末年始に影響も」(2023年12月22日)https://www.aviationwire.jp/archives/290771 (取得日2025-09-05)
- Traicy「ジェットスター・ジャパン、ストで約1,500人に影響 他社便振替も実施」(2023年12月29日)https://www.traicy.com/posts/20231229286762/ (取得日2025-09-05)
- テレビ朝日ニュース「ジェットスター労働組合 29日から再びストライキへ 労組の男性の解雇めぐり」(2024年3月27日)https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000342578.html (取得日2025-09-05)
- Aviation Wire「ジェットスターのスト、31日は13便欠航 JALが那覇臨時便、累計6300人に影響」(2023年12月30日)https://www.aviationwire.jp/archives/291227 (取得日2025-09-05)
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