優先席に座った若い子が亡くなったトラブル事例|女子高生が死んだのは本当?

優先席に座った若い子が亡くなったトラブル事例|女子高生が死んだのは本当?

みなさんのなかには、電車やバスの優先席をめぐって他人とトラブルになったことがある人たちもいるかもしれません。法律上のルールはないにせよ、モラルの次元では考え方の違いで対立が起きがちです。時には、喧嘩がエスカレートして殺し合いなどの事件になることもあります。実際、優先席で若い人が亡くなった事件は存在するのでしょうか?

この記事では、優先席に座った若い子が亡くなったトラブル事例の有無について解説しています。また、優先席に関連して女子高生が死んだ事件の存在にも言及しているので、興味のある人たちは参考にしてみてください。

目次

優先席とは?

優先席とは、バスや電車などの交通機関において、特定の条件の人ができるだけ座れるよう配慮が求められている座席のことを指します。以前は、「お年寄りの優先席」というイメージの強い「シルバーシート」という名称でした。

しかし、1997年に「優先席」へと名称を変更し、高齢者だけではなく、怪我や病気を抱えている人、妊婦などのサポートが必要な方を優先させる席として設置されるようになっています。

優先席に座った若い子が亡くなったトラブル事例

さて、これまで日本国内において、「電車やバスの優先席に座った若い子が亡くなった」というトラブルが起きたことはあるのでしょうか?

結論から言えば、優先席に座った若者が亡くなるという事件は現在のところ起きてはいないでしょう。けれども、負傷したり、怪我の危険性があったりする事件は起きています。ここでは、いくつかの事例を紹介します。

事例1 京急本線横浜駅での事件

2015年7月、京急本線横浜駅で、電車内の優先座席でスマホをしていた女子高生を男が注意したところ反抗され、駅ホームの階段から女子高生を蹴り飛ばすといった傷害暴行事件が発生しました。女子高生は階段を転げ落ちた勢いで流血し、緊急搬送されたものの意識不明というニュースが当時話題となりました。

事件があったのは 17 時ごろです。目撃者らの話によると、優先座席でスマホを触っていた女子高生に30~40代の男が注意し、スマホを取り上げ大声で怒鳴り散らしていたといいます。

近くにいた人による仲介で事態はいったん収束したようですが、男はしつこく女子高生に対し怒号を飛ばしていたようです。その後、男は横浜駅ホームの階段から女子高生を蹴り飛ばしました。

男は駅員らに取り押さえられ、駆け付けた警察官によって確保されましたが「 注意しただけだ、悪い事やってるって意識が無いんだよ!」などと言い張っていたようです。

事例2 JR大阪環状線大正駅構内での事件

2018年2月、JR大阪環状線大正駅構内で電車から降りた男性(34)をナイフで刺して負傷させたとして、無職の男(62)が殺人未遂罪に問われました。男は以前からこの男性に不満を抱いていたといいますが、被害を受けた男性はこの男を他の乗客と度々もめるトラブルメーカーと思っていました。

事件の始まりは2月7日午前7時ごろです。優先座席に座っていた男性は男から言いがかりをつけられました。「なに座ってんねん。足悪いんか?」男性は無視しましたが、両ひざを小突かれてしまいました。

その後、電車が大正駅に近づいたため席を立とうとすると、男が立ちふさがりその脇をすり抜けてドア前に並んだところ、後から髪を引っ張られました。

無視を通していた男性でしたが、ここで男の頬を殴りました。対する男は男性のコートの襟元をつかみ、右手で折りたたみナイフを出します。男性はホームに降りながら、男の手を振りほどこうとした瞬間、「ドン」という強い衝撃を感じました。男は体当たりするかのように男性の左腹部をめがけてナイフを突き刺したのです。

「いい加減にしとけよ」そう言い残して男は立ち去りました。男性は幸いにも全治2週間の怪我で済んだようです。

男の供述によると、1年以上前に男性の割り込み乗車を4、5回注意したが、その都度男性に無視されたといいます。一方男性は、以前から優先座席に座っていたりホームで立っていたりしただけで言いがかりをつけられたとし、1週間に3、4回のときもあり計20回以上は絡まれた、と法廷で振り返っています。

事例3 中国・浙江省の地下鉄での事件

日本国内に限らず、他の国でも優先席を巡るトラブルは起きています。

中国・浙江省の地下鉄車内で優先席に座っていた男性に対し、高齢女性が傘で殴りかかるトラブルが起きました。女性は体が不自由にも関わらず、席を譲ってもらえなかったことに腹を立て、暴力を振るったとみられています。

2024年8月27日、中国・浙江省の地下鉄車内で、優先席に座る若い男性に傘で殴りかかる高齢女性の姿が目撃されました。当時空いていた座席はなく女性は壁際に立っていましたが、突然持っていた袋を男性めがけて振り回し始めました。「なんで譲ってくれないのよ!」と大声で怒鳴る女性に対し、座っていた男性は「イヤです!」と拒否。女性は大声を上げながら、「譲れ!」と興奮していたそうです。

しかし、男性も大きな荷物がいくつもあったため席を譲ろうとしませんでした。すると女性は、「この恥知らずが!早く譲れ!」と叫びながら、今度は折りたたみ傘で男性を殴りつけたのです。

「ここは優先席!私は体が不自由なの!」女性はそう主張していたようです。体が不自由だと主張する女性は、なかなか優先席を譲らない男性に腹を立て、手を出してしまったというのです。

その後も女性は「お前にも親がいるでしょ!」と、ものすごい剣幕で怒り続けました。現地メディアによると、結局この女性は地下鉄を降りるまで席を譲ってもらえなかったと報道されています。

女子高生が優先席で死んだ事件はあるのか?

日本国内において、現時点では女子高生が電車やバスの優先席に関連して死んだ事件はありません

ただし、電車内では痴漢を筆頭に女子高生を狙う悪人が存在します。悲しいことですが、日本ではわいせつ行為の被害を受ける高校生が後を絶ちません。近年では、「触らない痴漢」という悪質な行為も横行しているようです。

未成年のみなさんは被害を受けたら、すぐに保護者や学校の先生、それが難しければ友達に相談しましょう。

若いくせに優先席に座るのが許せない人の心理

なお、若者が優先席に座ることに対して「許さない」という感情が生じるのは、どうしてなのでしょうか?

一概には言えませんが、ここでは代表的な感情として考えられる2つのことを説明していきます。

理由1 正義感が強い

第1に、「優先席には困っている人が座るべきだ」という強い正義感があることから、それを乱す人を許せないのだと考えられます。価値観は人によって異なりますが、自分が評価基準が正しいと信じている人は存在します。そのなかには、他人に押し付けてくる人もいるのです。

そのため、健康であるにもかかわらず、優先席に座る人に対して怒りを覚えるのです。一見すると、正義のヒーローのように思えますが、「自分が正しい」という感覚をなりふりかまわずに振りかざしてくるのは必ずしも良いことばかりとは言えません。

理由2 高齢者を敬え的な思想を持っている

第2に、「高齢者を敬え」という思想を持っている人は若者が優先席に座ることに対して苛立ちを覚えるかもしれません。特に、「最近の若者はなっとらん」とステレオタイプ的に決め付けている人は、優先席に座る若者に対しても厳しい可能性があるでしょう。

もちろん、足腰の悪い老人に対して席を譲るのは良いことであると言えます。とはいえ、シニアが特権階級であるような態度を取られるのは若者として納得がいかないという人もいるでしょう。自分の権利をやたらと主張する人は偉そうに振る舞ってくるおそれがありますが、トラブルにならないように黙ってその場を立ち去りましょう。

電車の中は安全とは限らない

電車の中は必ずしも安全とは言えません。「日本で優先席に関するトラブルをきっかけに死者が出た」という話は現在のところありませんが、人の恨みがいつ、どこで、爆発するのかはわかりません。その意味では、反感を買うおそれがあるので優先席を選んで敢えて座る必要はないでしょう。

無差別に殺人が起きてもおかしくない世の中ですから、「優先席を譲らなかった」だけで人を殺そうと思い至る人が出てきも不思議はありません。リスクを避けるためにも、価値観の違いが争いに発展しそうなことには関わらないのも賢い選択なのです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

IKITECH編集部は交通(電車・SUICA・新幹線・飛行機)や郵便などの生活インフラを専門領域に記事形式で情報を伝達するプロフェッショナル集団です。生活インフラ分野に知見のあるライター、編集者、研究者、校閲者から構成されたチームで記事を制作しています。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次