台風で飛行機が欠航する確率と航空会社別の調べ方

台風で飛行機が欠航する確率と航空会社別の調べ方

夏から秋にかけて日本には台風が頻繁に接近し、その影響で飛行機が欠航することがあります。

日本の台風シーズンは例年7〜9月頃で、この時期には毎年多数の台風が発生します。旅行や出張の予定を控えていると、「台風で飛行機が欠航する確率はどれくらいなのか?」「欠航はいつ決まるのか?」「もし欠航したらどうすればいいのか?」と不安になる方も多いでしょう。

本記事では、台風で飛行機が欠航する可能性や決定時期、欠航時の振替・払い戻し対応策、そして航空会社別の欠航情報の調べ方を詳しく解説します。

目次

台風で飛行機が欠航する確率

台風によって飛行機が欠航する可能性は、統計上それほど高くありません。国土交通省のデータによれば、国内線の天候起因による欠航率は平常時で約1%前後ですが、台風シーズン(7〜9月)には平均2〜3%程度に上昇します。つまり、台風シーズンでも100便中1〜2便程度が欠航する確率です

なお、欠航が判断される主な要因は安全上の理由です。飛行機は構造上横風に弱く、滑走路に対する横風が15〜20m/sを超えると離着陸に影響が出るため、台風のように強風が吹く状況では安全を期して運航中止(欠航)となるケースが多くなります。視界不良や空港設備への影響なども含め、航空会社は総合的に判断して欠航を決定します。

なお、国内線に比べて便数の少ない国際線では、台風の影響下でもできる限り運航を続け欠航を回避する傾向があります。ただし、沖縄路線を多く運航する航空会社(日本トランスオーシャン航空など)では台風の影響によって欠航率が高くなる傾向があります。航空各社も台風接近時には出発時刻の調整など欠航回避に努めているため、全体として欠航率は低く抑えられています。

とはいえ、規模の大きな台風が直撃した場合には一日で数百〜数千便規模の欠航が発生することもあります。例えば2019年の台風19号では、JALとANAの国内線だけで約2,000便が欠航したと報じられましたが、これは極めて稀なケースと言えるでしょう。

台風による欠航はいつわかるのか?

結論から言えば、台風による欠航がいつ決まるかのタイミングは状況によって異なり、明確な基準はありません。欠航の判断は最終的に各航空会社の運航管理者や機長の裁量に委ねられるため、同じ状況でも会社によって対応が分かれる場合もあります。

また、空港自体が強風や暴風雨の影響で離着陸を制限・閉鎖した場合は、航空会社にかかわらず該当する全便が欠航となります。

JAL(日本航空)では「台風など天候に見通しがつく場合には、できる限り早いタイミングで決定してご案内するよう努めている」と説明しています。一方で、実際には出発の1時間前や30分前になって欠航が発表されるケースもあり、ギリギリまで運航の可能性を探ることも少なくありません。

このため、台風接近時には前日から航空会社の公式サイトで運航状況をこまめに確認し、当日も空港に向かう前に最新情報を必ずチェックしましょう。予約時にメールアドレスや電話番号を登録しておくと、欠航や遅延が決定した際に通知を受け取れる各社のサービスも活用できます。

台風で飛行機が欠航したらどうなるのか?

台風で飛行機が欠航になった場合、航空会社は振替便の手配や航空券の払い戻しに柔軟に対応してくれます。なお、欠航が確定する前でも、台風による影響が予測される便を対象に事前の特別対応を実施する航空会社もあります。対象便は各社から事前に案内されますので、該当する場合は早めに手続きを検討するとよいでしょう。

基本的に悪天候による欠航時はキャンセル料などの手数料なしで予約変更(振替)や払い戻しが可能です。欠航によって生じた宿泊費・交通費などの追加費用は自己負担となる点に注意が必要です。

以下に主な対応策をまとめます。

  • 振替(予約変更): 欠航時は同じ航空会社の他便へ手数料無料で振替できます。
  • 払い戻し: 振替を希望しない場合は、航空券の払い戻しを手数料無料で受けられます。
  • 追加費用: 欠航に伴う宿泊費や移動交通費などは原則として航空会社から補償されず、自己負担になります。

なお、LCC(格安航空会社)では振替・払い戻しの条件や手続き期限が異なる場合があるため、各社の案内を事前に確認してください。

振替手続きを行う際は空港カウンターやコールセンターが混雑しやすいため、可能であればウェブサイト上で手続きを済ませるか、早めに航空会社へ連絡することをおすすめします。どうしても当日中に目的地へ移動する必要がある場合は、新幹線や高速バスなど他の交通手段への振替も検討しましょう。

また、旅行会社や旅行サイトで購入した航空券は、欠航時の払い戻し・変更手続きを購入元で行う必要があります。急がない場合は欠航当日の空港での手続きを避け、後日あらためて対応するほうがスムーズでしょう。

なお、飛行機の欠航によって旅行自体を中止する場合、予約済みのホテルやパッケージツアー等のキャンセル料についても、各宿泊施設・旅行会社が特別対応を取る可能性があります。航空会社から発行される欠航証明を提示することでキャンセル料が免除されるケースもあります。

そのため、欠航が決まったら宿泊先や旅行会社にも早めに連絡して相談してください。また、ご自身が加入している旅行保険やクレジットカード付帯保険の中には、飛行機の欠航に伴う臨時の宿泊費・交通費を補償してくれるものもあります。台風シーズンに旅行する際は、万一の欠航に備えて保険の補償内容を確認しておくと安心です。

航空会社別の欠航状況の調べ方

各航空会社では公式ウェブサイトなどで欠航や遅延の情報を提供しています

例えば、JALの公式サイトでは、台風などの悪天候時に「運航の見通し」ページで影響が及ぶ空港の情報や欠航見込みが前日から案内されます。さらに「発着情報検索」を使えば、前日・当日・翌日の予約便の運航状況を空港名や便名から調べることができます。

運航の見通しページを見る
Screenshot

ANAも公式サイト上で国内線・国際線の運航状況を確認できます。台風などで運航に影響が見込まれる場合、ANAサイトでも対象便の欠航・遅延情報が前日から順次案内され、当日は最新の運航状況がリアルタイムで更新されます。予約した便の発着状況はANA公式サイト内の「運航状況のご案内」ページで検索でき、JAL同様に事前登録した連絡先へのメール通知サービスも提供されています。

なお、台風時には各社のコールセンターが混雑してつながりにくくなるため、電話問い合わせよりもウェブサイトや公式アプリでの情報確認がおすすめです。

公式の情報をチェックしよう!

台風による飛行機の欠航は決して頻繁ではありませんが、毎年台風シーズンには一定数の欠航が発生しています。欠航の最終決定時刻は状況次第で大きく変動するため、台風接近時には公式情報をこまめにチェックし、いざ欠航となっても慌てずに振替や払い戻しの手続きを行いましょう。

各航空会社が提供する運航状況の案内ページや通知サービスを活用し、台風の影響下でも安心して旅行・移動できるよう備えておくことが大切です。

なお、欠航とならず飛行機が運航された場合でも、台風による大幅な遅延が発生し予定に影響が出ることがあります。台風シーズンに飛行機を利用する際は、あらかじめ旅程に余裕を持たせておくと安心です。

参考文献

  1. 国土交通省航空局「特定本邦航空運送事業者に係る情報(平成30年度)」(航空輸送サービス統計)【PDF】(2019年)URL: http://www.mlit.go.jp/common/001299151.pdf (2025年9月5日閲覧)
  2. 旅行総合研究所タビリス「夏に遅延・欠航しやすい航空会社はどこ?混雑しやすい時期だから、国内11社をチェックしてみた。」(2016年7月25日)URL: https://tabiris.com/archives/summer-air/ (2025年9月5日閲覧)
  3. 日本航空(JAL)公式サイト「国内線 飛行機が欠航・遅延するかも…困ったときは『JAL Webサイト』を確認」(2023年)URL: https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/serviceinfo/ (2025年9月5日閲覧)
  4. TRAVELIST「飛行機が台風で欠航になる基準は?払い戻しやその後の対応について解説」(2023年5月10日)URL: https://travelist.jp/column/cat_01/airplane-typhoon-im07.html (2025年9月5日閲覧)
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