みなさんのなかには、新幹線に乗り遅れて途方に暮れている人たちもいるかもしれません。チケットを買い直すにも、それなりの料金がかかりますから躊躇するのはよくわかります。つい魔が刺して、「違う時間で何とか行けないか?」と考える人たちもいるかもしれません。
この記事では、「新幹線に乗り遅れて違う時間に乗ったらバレるのか?」という問いを考察しています。また、適切な対応や注意点も紹介しているので、新幹線に乗り遅れてしまった方は参考にしてみてください。
新幹線に乗り遅れて違う時間に乗ったらバレない?
結論から言うと、指定席やグリーン車の場合、違う時間の新幹線に乗るとバレる可能性が高いです。
なぜなら、乗車券には列車番号や座席番号などが記載されており、車内にて車掌による検札で指摘を受けるからです。また、新幹線の改札はICカードの履歴や防犯カメラの映像などで、誰がどの新幹線に乗車したかを追跡できるようになっています。もし車内では気が付かれることなくやり過ごせても、不正行為の記録は残ってしまうのです。
指定席で予約していた新幹線に乗り遅れた場合、指定席券は無効になります。そのため、自由席に座ることは可能ですが、指定席券を使って他の時間の新幹線に乗車することはできません。
自由席で予約していた場合は、時間や座席の指定がないため基本的に問題ありません。ただし、全席指定の列車へは乗車できないなど制限がある場合もあります。また、自由席特急券に記載されている乗車日以外に利用することはできませんので、ご注意ください。
万が一、既に他の時間の新幹線に乗車してしまって、車掌さんの検札がまだの場合は、正直に事情を説明することをお勧めします。状況によっては、柔軟に対応してもらえる可能性もあります。
新幹線に乗り遅れてしまったときの適切な対応
新幹線に乗り遅れてしまった場合は、落ち着いて以下の手順で対応しましょう。
その1:払い戻しの手続きを行う
指定席やグリーン車の場合、未使用であれば払い戻しを受けることができます。みどりの窓口や自動券売機で手続きを行いましょう。払い戻しには手数料がかかりますが、不正乗車によるペナルティを受けるよりははるかに軽いです。
新幹線の払い戻し手続き方法は、きっぷの購入方法や種類、受け取り状況によって異なります。大きく分けて、みどりの窓口、指定席券売機、インターネットでの手続きの3種類があります。
◎みどりの窓口での払い戻し
基本的に、全国のJR駅の「みどりの窓口」で払い戻し手続きができます。JR東日本で購入したきっぷをJR東海の窓口で払い戻すことも可能です。団体乗車券や一部のトクトクきっぷは、購入した窓口でしか払い戻しできません。旅行会社のツアー商品に含まれる新幹線チケットは、購入した旅行会社でのみ払い戻しが可能です。クレジットカードで購入した場合は、購入時に使用したクレジットカードを提示する必要があります。
◎指定席券売機での払い戻し
一部の駅にある指定席券売機でも払い戻しが可能です。払い戻し可能な券売機は、主に「指定席券売機」です。ピンク色のチャージ専用機や黒色の多機能券売機ではできません。クレジットカード専用の券売機では、そのカードで購入したきっぷのみ払い戻しが可能です。購入時のクレジットカードが必要です。払い戻し手数料は、窓口での手続きと同じです。列車の運休や2時間以上の遅延による払い戻しは、手数料が発生するため、駅係員に申し出る必要があります。
◎インターネットでの払い戻し
「えきねっと」「エクスプレス予約」「e5489」などのインターネット予約サービスで予約・購入した場合は、各サービスのウェブサイトで払い戻し手続きが可能です。ただし、インターネットで予約したきっぷを駅で受け取った場合は、インターネットでの払い戻しはできません。その場合は、駅の窓口または券売機で手続きが必要です。
払い戻し手数料
払い戻しには手数料がかかります。金額はきっぷの種類や時期によって異なります。一般的には、乗車券・自由席特急券は220円、指定席特急券は340円です。指定席特急券は、乗車日前日から手数料が値上がりし、30%(最低340円)になります。発車時刻を過ぎると払い戻しはできません。
どの方法で払い戻す場合でも、払い戻し手数料がかかること、購入方法によっては払い戻し場所が限定されることに注意が必要です。不明な点は、駅の窓口や各予約サービスのウェブサイトで確認することをお勧めします。
その2:次の新幹線を予約する
払い戻し手続き後、または自由席の場合は、次の新幹線を予約しましょう。指定席は満席の場合もありますので、早めの予約がおすすめです。インターネット予約や駅の券売機、みどりの窓口で予約できます。
その3:飛行機など別の移動手段に切り替える
新幹線が満席で、どうしても早く目的地に着きたい場合は、飛行機など別の移動手段を検討しましょう。状況によっては、新幹線よりも早く到着できる場合もあります。
新幹線に乗り遅れたときにやってはいけないこと
新幹線に乗り遅れた時に、やってはいけない行動を3つ紹介します。
その1:無断で指定席・グリーン車に乗車する
先述の通り、指定席やグリーン車の切符で違う時間の新幹線に無断で乗車することは不正乗車にあたり、ペナルティを受ける可能性があります。最悪の場合、鉄道営業法違反で罰金刑が科せられることもあります。鉄道営業法第29条では、鉄道係員の許可なく、所持している乗車券よりも上位の車両に乗車した場合、罰金または科料が科せられると規定されています。具体的には、50万円以下の罰金または科料に処せられます。ただし、これは過去の規定で、現在は罰金等臨時措置法により、2万円以下の罰金または1万円未満の科料となっています。
指定席に無断で座る行為が、故意であることも重要です。例えば、指定席と知らずに、または券の番号を間違えて座ってしまった場合は、故意とはみなされず、罰則の対象にはなりません。また、車掌の承諾を得ている場合も、鉄道営業法違反にはなりません。
無断乗車は、単なるマナー違反ではなく、法律違反となる可能性がある行為です。指定席券を購入した人の権利を侵害するだけでなく、鉄道会社の運営にも影響を及ぼします。乗車前に自身の座席番号を確認し、間違えないように注意することが大切です。万が一、間違えて他の席に座ってしまった場合は、速やかに車掌に申し出ましょう。
その2:駅員に虚偽の説明をしたり迷惑行為(恐喝など)をする
乗り遅れた理由を偽ったり、不正乗車が発覚した際に嘘をついたりすることは絶対にやめましょう。正直に状況を説明し、指示に従うことが大切です。また、焦りを理由に駅員への恐喝などの迷惑行為は慎みましょう。周りの人に配慮し、冷静に行動することが大切です。
その3:目的地に向かうことを諦める
新幹線は日本の中でも最も定刻通りに運行すると言われる公共交通機関です。行き先にもよりますが、1本乗り過ごしても次の新幹線がすぐに到着する場合も多いです。また、新幹線の停車駅は、基本的に交通網が発達しています。先述の通り、飛行機や高速バスなどの代替案があることがほとんどです。大事な予定を諦めずにすむよう、別の方法を模索してみましょう。
自由席以外は違う時間に乗ってはいけない
重ねての説明にはなりますが、自由席は時間指定がないため、乗車日であればどの時間帯の新幹線にも乗ることができます。しかし、指定席やグリーン車は、指定された列車・座席にのみ乗車が可能です。違う時間の新幹線に乗車することは不正乗車となりますので、絶対にやめましょう。
新幹線に乗り遅れてしまった場合は、焦らず落ち着いて適切な対応をとることが重要です。この記事が、新幹線を利用する皆様の参考になれば幸いです。
指定席で違う時間の新幹線に乗車した場合のペナルティについては、各社の規定によって異なる場合があります。詳細は各社のウェブサイトをご確認ください。
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