新幹線を利用したときに到着時間よりも大幅に遅れることが稀にあります。災害や人身事故など想像だにしないトラブルが生じることもあるのです。その際に、予定が大幅に狂って旅行や出張の計画が台無しになったら、たまったもんではありませんよね。実際、返金対応などの払い戻しはどのようなルールによって定められているのでしょうか?
この記事では、「新幹線が1時間50分遅延したら払い戻しされるのか?」という疑問について言及しています。2時間以上の遅れが生じたときの返金対応にも触れているので、新幹線が遅延した場合に参考にしてみてください。
新幹線が1時間50分遅延したら払い戻しされる?
さて、新幹線が到着予定時刻よりも1時間50分遅延した場合、払い戻しの対象になるのでしょうか?
残念ながら、新幹線が1時間50分遅延した場合は原則として払い戻し対象になりません。JR各社(JR東日本・JR東海・JR西日本など)では「列車が2時間以上遅延したときに運賃や料金を払い戻す」という基準を設けています。その基準を満たしていなければ、どんなに予定が狂っても返金の対象にはならないのです。
これに関しては、JRの公式サイトでも次のように説明されています。
・新幹線や特急列車が到着時刻から2時間以上遅れた場合は、特急料金の全額を払いもどしをさせていただいております。なおこの場合、グリーン料金・グランクラス料金の払いもどしはありません。
JR東日本公式サイト『新幹線や特急列車の到着時刻が予定より遅れた時は、払いもどしがあるのですか。』より引用
・2時間以上の遅れに伴う払いもどしについては、遅れが発生した日の翌日から起算して1年以内に駅の窓口にご提出いただければ払いもどしいたします。
・おトクなきっぷや、旅行会社が発行したきっぷは、取扱いが異なる場合があります。
もちろん、当日の運行状況や災害規模などによって、特別な救済措置が実施されるケースもゼロではありません。しかし、基本ルールとしては「2時間以上」という明確なラインが設けられているため、1時間59分59秒以下では払い戻しが難しい点に注意してください。
新幹線の遅延で払い戻しされる条件
それでは、新幹線の遅延で払い戻しの対象となる条件として、具体的にどのようなルールが定められているのでしょうか?
これに関しては、大きく2つの条件が少なくとも必要になります。
- 条件1 到着予定時刻よりも2時間以上の遅延が起きている
- 条件2 遅延証明書を取得して遅れたチケットの所有者であることを証明できる
時刻のカウントはあくまでもJRが依拠している時間になります。自分の時計が1秒単位でも一致していない場合、適用の対象外になるおそれがあります。
2時間遅れで払い戻しするときに必要なこと
実際に、新幹線が2時間以上遅延したときに、払い戻しを受けるにはどうすればよいのでしょうか?
具体的な手続きは以下のとおりです。
新幹線の払い戻し手続き方法
最初に、駅の改札口や窓口で「遅延証明書」を取得しましょう。
一部のJRエリアでは公式ウェブサイトから一定期間ダウンロード可能な場合もあるので、遠方から出勤してきた翌日や、忙しくて当日に窓口へ行けない人でも入手できる場合があります。
ただし、ダウンロード可能期間は限られますので早めの確認がおすすめです。
JRの「みどりの窓口」などで直接切符を購入した場合は、同じ窓口で手続きをするのが基本です。また、旅行会社やオンラインサイトで購入した場合は、それぞれの購入先で払い戻し対応を行う必要があります。そのほかにも、エクスプレス予約やモバイルSuicaなどのオンラインサービスを利用している場合は、インターネット上で手続きできるケースもありますので、公式サイトや会員ページをチェックしてみてください。
乗車券や特急券(またはICカードの利用記録)、遅延証明書、本人確認書類を窓口や購入元に提示し、払い戻しの申請フォームや書類に必要事項を記入します。
払い戻し額は、「運賃」と「特急料金」が全額返金されるケースが一般的ですが、事情によっては一部のみが返金の対象となることがあります。詳細は窓口の係員や旅行会社に確認しましょう。
新幹線の遅延で払い戻しを受けるときの注意点
2時間以上の遅延だからといって、どんな状況でもすんなり払い戻しを受けられるとは限りません。以下の注意点を押さえておくと、手続き時のトラブルを回避できます。
注意1:払い戻し手続きの期限を把握する
新幹線が遅延した場合、払い戻しの対象となる期限があります。これに関しては、JRの公式サイトで以下のように定められています。
・2時間以上の遅れに伴う払いもどしについては、遅れが発生した日の翌日から起算して1年以内に駅の窓口にご提出いただければ払いもどしいたします。
JR公式サイト『新幹線や特急列車の到着時刻が予定より遅れた時は、払いもどしがあるのですか。』より引用
1年が過ぎてしまうと払い戻しできなくなるので、後回しにするのではなく、すぐに手続きを済ませましょう。
注意2:旅行会社やセットプランのキャンセル規定に要注意
新幹線とホテルがセットになったツアー商品や、旅行会社でパッケージとして購入したきっぷの場合は、JRのルールとは異なるキャンセルポリシーが適用されることがあります。
例えば、「ツアー全体をキャンセルすると違約金が発生するが、交通部分だけの払い戻しは別途手続きが必要」といったケースもあるので、まずは購入先の旅行会社へ相談してください。
注意3:運休や振替輸送がある場合の対応
大規模な災害や重大な事故で新幹線が運休となり、バスや他社線への振替輸送が行われることがあります。振替輸送を利用すれば目的地へ到着できるため、その場合は払い戻し対象にならないことも可能性もあるのです。
あるいは、運休によってきっぷ自体が使えないケースでは、改めて手続きを行う必要が生じます。状況次第で適用されるルールが変わるため、その都度駅係員の案内に従うのが賢明です。
1時間59分59秒以下では返金されない
最後に再度強調しておきたいポイントは、「2時間未満(1時間59分59秒以下)では返金されない」という事実です。これはJR各社のルールで明確に定められているため、「あと数分遅れていれば返金されたのに…」というケースも起こり得ます。
- 1時間50分の遅延 → 払い戻し対象外
- 1時間59分59秒の遅延 → 払い戻し対象外
- 2時間以上 → 払い戻し対象(運賃・特急料金が返金される)
たとえわずかの差であっても救済が受けられないのは残念ですが、これはJR側が遅延を一律に判断するために設けた基準です。遅延が見込まれる状況では、到着見込み時刻などの情報をこまめに入手し、返金対象となるかどうかを早めに見極めることが大切です。
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