えきねっとのアプリとWebの違い|どっちが使いやすいのか?

えきねっとのアプリとWebの違い|どっちが使いやすいのか?

えきねっとはJR東日本が提供する鉄道チケットのオンライン予約サービスです。スマートフォンやPCから新幹線や特急の指定券を予約・変更でき、窓口に並ぶ手間を省けます。

ただ、ネット上では「えきねっとは使いにくい」という声もかねてからあり、2024年夏には利便性改善のため一部駅でみどりの窓口を復活させる動きもあったほどです。

そんな中、えきねっと公式アプリも提供されており、「アプリとWebサイトでは何が違うのか」「結局どちらが使いやすいのか」と疑問に思う方も多いでしょう。

この記事では、えきねっとのアプリとWebの3つの違いを詳しく解説し、最後にどちらが使いやすいか考察します。さらに、えきねっとを利用する際の注意点も紹介します。

目次

えきねっとのアプリとWebの違い

まず、えきねっと公式アプリとWebサイトには機能面で明確な違いがあります。

ここでは、代表的な違いを3つ挙げて説明します。

その1:チケットレスの対応範囲が異なる

えきねっと公式アプリは、チケットレス乗車サービスの予約に特化したものです。一方、ブラウザで利用するえきねっとWebサイトは、えきねっとの全機能に対応しています。これは予約できる列車やきっぷの範囲に大きな違いを生みます。

アプリから予約できるのは、「新幹線eチケットサービス」「在来線チケットレス特急券サービス」「在来線チケットレス座席指定券」「えきねっとQチケ」といったチケットレス方式の列車・きっぷに限定されます。例えば、アプリでは東海道・山陽新幹線などJR東海やJR西日本エリアのみを走る列車は検索・予約できません。

実際、アプリでは大阪駅や博多駅などJR西日本・九州の駅名は入力しても候補に出てこない一方、Web版ではそれらも含め検索・予約が可能です。またアプリ上では紙のきっぷを購入することはできません。紙のきっぷや在来線の乗車券のみの購入、定期券、株主優待割引券などもアプリでは扱えず、それがサイトとの大きな違いになっています。

一方、えきねっとWebサイトではえきねっとの全機能(全ての列車ときっぷ)を利用可能です。JR東日本・北海道エリアの新幹線や特急はもちろん、チケットレス対象外の列車や紙のきっぷの予約にも対応しています。具体例を言うと、東海道・山陽新幹線を含む区間の乗車券・特急券もWebから申し込むことができます。

その2: アプリはクレジットカード決済のみ

支払い方法にも大きな違いがあります。えきねっとアプリからの申し込みでは、支払いはクレジットカード決済のみとなります。アプリでは登録したクレジットカードで即時決済する以外の選択肢がありません。実際、未成年でクレジットカードを持たない方が「コンビニで支払いたい」と思っても、アプリ版では対応できず困ってしまうというケースがあります。

一方、えきねっとWebサイト経由の予約では、支払い方法を選択可能です。申込時にクレジットカード払いのほか、申込後にコンビニエンスストア・銀行ATM(金融機関)・駅窓口/券売機で支払う方法を選べます。ファミリーマートやローソンなどのコンビニで現金支払いし、その控えを持って乗車することも可能です。

ただし、支払い方法の選択は予約内容によって制限があります。JR東海・四国・九州エリアが含まれる予約やチケットレス商品を含む予約では、コンビニ・金融機関・駅支払いが選べずクレジットカードのみとなります。加えて、コンビニ等での支払いには5万円未満という金額制限や支払期限が設定されている点にも注意が必要です。

その3: 操作性・利便性の違い(アプリは手軽だが機能限定、Webは多機能だがやや複雑)

使い勝手の面でも、アプリとWebでは特徴が異なります。アプリはスマホ専用に設計されておりログイン状態を維持しやすく、モバイル上で予約から乗車まで完結するよう作られています

たとえば、「えきねっとQチケ」を利用する場合、アプリが電子きっぷ代わりとなりスマホひとつで乗車できます。新幹線eチケットや在来線チケットレス特急券でも、事前にICカード情報を登録・紐付けしておけば、アプリで予約内容を確認しつつICカードやモバイルSuicaで直接改札を通過できます。

しかしその反面、前述の通りアプリは機能が限定されているため、できない操作も多いです。複雑な経路の乗車券や複数人分の予約、他社線をまたぐきっぷの手配などは結局ブラウザ版で行う必要があります。

また、えきねっとWebサイトは多機能ゆえに操作手順がやや複雑で、一般利用者にはわかりにくい部分もあると指摘されています。実際、「えきねっとは使いにくい」と感じる利用者も多く、ネット予約の難しさから駅のみどりの窓口に長蛇の列ができるといった問題も報告されています。

Web版ではログインが一定時間で切れる、往復検索時に復路の日付が自動入力されない、画面遷移が分かりづらい等のユーザーインターフェース上の不満も聞かれます。一方、アプリ版は機能を絞ったことで画面構成がシンプルになり、限られた用途であれば操作は簡便です。例えば新幹線eチケット予約~ICカード連携といった一連の操作はアプリ上で案内に従って進めやすい設計になっています。

えきねっとのアプリとWebはどっちが使いやすいのか?

結論から言えば、えきねっとのアプリとWebのどちらが使いやすいかは「利用目的とユーザーの状況によって異なる」というのが答えです。両者には上述したように一長一短があります。

アプリが使いやすいと感じられるケースとしては、JR東日本・北海道エリア内でチケットレスサービスを主に利用する場合です。例えば東北・上越新幹線や在来線特急を日常的に利用し、モバイルSuicaやICカードで改札を通るような方には、アプリから予約してそのまま乗車できるフローは非常に便利でしょう。アプリ上で予約履歴を確認でき、JRE POINT特典チケットへの交換などポイント活用も手軽に行えます。また、常にスマホから操作する人にとって、アプリの方が画面が見やすくログイン状態も保持されるため快適に感じられるでしょう。

一方、Web版が向いているケースも多々あります。クレジットカードを持たずコンビニ払い等を利用したい人や、出張などで東海道・山陽新幹線を予約する必要がある人、紙のきっぷや複雑な経路の乗車券を手配したい人はWeb版一択です。例えば東京~大阪間の新幹線も、えきねっとWebから予約すれば乗車券と特急券を同時に押さえられます。初めてえきねっとを利用する方にとっては、Web版のほうが画面上の情報量が多いため手順を理解しやすい場合もあります。公式の案内ページやヘルプもブラウザから参照しやすいという利点があります。

総合的に見ると、「普段使いはアプリ、いざという時はWeb」と使い分けるのが現実的でしょう。普段の通勤や国内旅行でJR東日本エリア内を移動する際はアプリでさっと予約し、ICカードで乗車する。旅行先がJR東日本管外に及ぶ時や細かな指定が必要な時はWebで腰を据えて手配する、といった使い方です。読者の皆様のニーズに照らして、最適な方法を選んでみてください。

えきねっとを使う際の注意点

最後に、えきねっと利用時の注意点を3つお伝えします。便利な反面、従来のきっぷ購入とは勝手が異なる部分がありますので、事前に把握しておきましょう。

注意1: 他社線を含む予約ではチケットレス不可&受取駅に注意

えきねっとはJR東日本のサービスですが、Web版ではJR他社線のきっぷも購入できます。ただし、JR東海・JR西日本やJR九州など他社エリアが含まれる予約はチケットレスサービス対象外です。例えば、東京~新大阪間を予約する場合、「新幹線eチケット」は使えず紙のきっぷ扱いとなります。この際、乗車前に実券を発券しないと改札を通れない点に注意が必要です。

さらに、きっぷの受取可能エリアにも注意しましょう。他社線を含む予約だと、受取できる駅がJR東日本エリア内に限られるケースがあります。公式FAQでも「東海道新幹線を予約した場合、そのきっぷはJR東日本の駅でのみ受取可能」だと案内されています。

また、JR東海・四国・九州の区間が含まれる予約ではえきねっとの事前受付サービス(発売日1週間前からのリクエスト予約)も利用できません。

注意2: 深夜の定期メンテナンス時間帯は予約操作ができない

えきねっとでは毎日システムメンテナンスの時間帯が設定されています。毎晩おおむね深夜1:50~早朝5:00頃まではサービスを利用できません。正確には「23:50~0:10」と「1:50~5:00」が定期メンテ時間となっており、この間は予約申込・変更・払戻など一切の操作が不可となります。

例えば、夜中の2時に翌日の列車を予約しようとしてもシステム停止中で手続きできません。またコンビニ支払い等の期限がちょうど深夜にかかる場合も、期限内でもメンテ時間は受付されないので注意が必要です。

なお、これ以外にも不定期の臨時メンテナンスが実施されることがあります。臨時メンテの日程は公式サイトの「メンテナンス情報」ページに告知されます。深夜帯以外でアクセスして「現在メンテナンス中です」と表示された場合は、この臨時メンテの可能性があります。いずれにせよ、深夜~早朝にかけては予約ができない時間帯があることを念頭に置き、急ぎの申込みは避けるようにしましょう。

注意3: チケットレス利用時はICカード紐付けを確認

最後に、チケットレスサービスを利用する際の注意点です。えきねっとの新幹線eチケットや在来線チケットレス特急券を利用する場合、事前にICカード(交通系IC)を予約に紐付ける必要があります。

予約時または予約後に「ICカード情報入力」の手続きを行い、自分のSuicaやPASMOなどICカードのID番号を登録してください。紐付けを済ませておけば、乗車当日はそのICカードを改札機にタッチするだけで乗車できます。

紐付けをし忘れると、自動改札で認識されず乗車できないため要注意です。その場合、発券可能な駅で紙のきっぷに引き換える必要があります。当日駅で発券するとなると時間のロスや焦りに繋がりますので、前日までにICカード登録を済ませましょう。

まずは使ってみよう

えきねっとのアプリとWebの違いと使いやすさについて、主要なポイントを解説しました。アプリ版はチケットレス予約に特化し操作が手軽な反面、対応範囲や支払い方法が限定されています。

一方、Web版はすべてのきっぷに対応し多彩な支払い方法も選べる反面、機能が多いぶん操作が複雑です。それぞれに強みと弱みがあり、どちらが使いやすいかは利用者の目的によって変わります。

総じて、日常的にJR東日本エリア内で完結する移動が多い方やクレジット決済に抵抗のない方にはアプリが便利でしょう。逆に旅行や出張で広範囲を移動する方、現金派の方、詳細な条件指定をしたい方にはWeb版が適しています。

実際には、自分のニーズに応じてアプリとWebを使い分けるのがベストです。「えきねっと」は便利な反面、従来のきっぷ購入とは異なるルールも多いため、本記事で挙げた注意点を参考に、事前準備を怠らずに活用してください。

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