みなさんのなかには、両親や子どもが使っている定期券を借りて遠出しようと考えている人たちもいるはずです。実際、特定の期間は乗り放題なのですから、少しでも運賃を節約しようと家族の定期券を借りたい気持ちは理解できなくもありません。しかし、ルールで定期券の使い回しは禁じられています。
この記事では、「定期券を家族で使い回しするとバレるのか?」という疑問について考察しています。また、定期券の貸し借りに関する可否や罰則にも言及しているので、定期券を使いまわそうと考えている人たちはチェックしてみてください。
定期券の貸し借りは可能なのか?
そもそも家族間で電車の定期券を貸し借りできるのでしょうか?
残念ながら、公共交通機関で発行した定期券を記名されている個人以外の第三者に貸したり、借りたりするのは許されません。家族や恋人という親しい間柄だったとしても、「不正利用」と見做されて定期券を回収されるおそれがあります。例えば、JR東日本の『旅客営業規則』では次のように定めています。
定期乗車券は、次の各号の1に該当する場合は、無効として回収する。
(1)定期乗車券をその記名人以外の者が使用したとき。
JR東日本『旅客営業規則』より引用
このルールが存在することからも明らかなように、定期券の貸し借りは認められないのです。実際、貸し借りを認めてしまうと、運営会社の売り上げが下がることは明白ですし、借りれなかった人の負担が大きくなるのも不公平であると言わざるを得ません。以上のことからも、定期券を購入した際に、善意だったとしても他人に貸すのはやめましょう。
定期券を家族で使い回しするとバレる?
とはいえ、「定期券を家族で使い回してもバレない」と考えている人たちもいるかもしれません。実際のところ、親や子どもの定期券を使って移動するとバレる可能性はあるのでしょうか?
結論から言えば、定期券の使い回しがバレる可能性はあります。
性悪説で考えたときに、家族や恋人関係にある男女が定期券を貸し合って利用することは容易に想像できます。だからこそ、駅員も改札で監視しているわけです。定期券には個人情報が登録されていますから、改札を通っている人と見比べたときに明らかにおかしい場合は指摘を受けるおそれがあります。
例えば、ある一定の頻度で不正利用者が出ている駅だったとすれば、駅員が一人も見つけられないのは職務怠慢として非難されるかもしれません。すなわち、使い回している人を見つけることが仕事としての評価に関わる場合、目視でも真剣に探すのは当然です。
また、防犯カメラが設置されているため、後から定期券の不正利用が判明するケースもあるでしょう。今後、AIが発展して防犯カメラの画像認識機能における本人判定の精度が高まれば、定期券の購入者と実際の利用者が異なる状況を見抜くことができるようになるかもしれません。
定期券の使い回しがバレたときの罰則
それでは、実際に定期券の使い回しがバレたときには、どのような罰則があるのでしょうか?
先ほども記述したように、本人以外が定期券を利用した場合は没収されます。さらに、通常料金の3倍に相当する金額を支払うよう要求されます。これに関しても、JR東日本の『旅客営業規則』に以下のように明示されています。
(定期乗車券等不正使用旅客に対する旅客運賃・料金の収受)
第265条第168条第1項の規定により定期乗車券を無効として回収した場合(同条第2項において準用する場合を含む。)は、当該旅客から次の各号による普通旅客運賃(特別車両定期乗車券にあっては、特別車両料金を含む。)と、その2倍に相当する額の増運賃とをあわせて収受する。
JR東日本『旅客営業規則』より引用
通常料金の計算方法に関しては、不正利用が発生したと考えられる期日まで遡るため、とんでもない金額になるおそれがあります。例えば、1月1日から使える定期券を1月10日に不正利用した場合、その日だけの運賃だけではなく、1日まで遡った時の金額に対して3倍に相当する罰金を支払わないといけなくなるおそれがあるのです。
実際、過去に定期券を使いまわしたことで88万円の支払いを受けたというXの投稿がバズりましたが、上記のルールから考えたときにあり得ない話ではありません。

不正はバレる
なかには「バレるわけがない」と思っている人もいるに違いありません。しかしながら、それは不正をはたらく人たちが自分の都合が良いように状況を解釈しているからに過ぎません。年々、監視技術は向上していますから、悪事はバレると思っておいたほうがよいでしょう。
また、バレたときに発生するリスクは極めて大きいと言わざるを得ないでしょう。悪質な場合は刑事事件に発展する可能性もあります。その意味では、数百円や数千円をごまかすつもりがバレると数十万円を支払わないといけなくなるほどの危険を犯しているわけです。
公共交通機関は、利用者が公平に費用を負担することで機能します。そのなかで、定期券を使い回すような人たちが増えれば、仕組みそのものが成り立ちません。そのような事態を避けるために、鉄道会社やバス会社も新しい技術を取り入れながら、取締りを今後も強化していきますから、いつの日にかバレます。
その時はバレなかったとしても、後から記録をチェックしたときに不正が暴かれるかもしれません。それに怯えながら、暮らすのは精神衛生上もよくありませんから、絶対にやめてください。
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