キセル乗車とは?後日バレる理由や寝過ごしたときの適切な対処法

キセル乗車とは?後日バレる理由や寝過ごしたときの適切な対処法

電車で移動するにあたって、運賃を支払うのは当たり前のことです。けれども、無人駅など駅員の目が届かない場所を狙って切符の料金をごまかす人たちが稀にいます。いわゆる「キセル乗車」です。「つい魔が刺した」という方もいるかもしれませんが、立派な犯罪なので決して許される行為ではないのです。

この記事では、「キセル乗車とは何か?」という基本理解を踏まえた上で、後日バレる理由や寝過ごしたときの適切な対処法を解説しています。数百円のごまかしでも悪いことは悪いことです。人生を台無しにしないためにも、賢明な判断を心がけてください。

目次

キセル乗車とは?

キセル乗車とは、適切な運賃を支払うことなく電車で移動することを意味しています。「不正乗車」や「無賃乗車」と呼ばれることもあります。例えば、降車する駅が無人であることをいいことに、通常よりも安い切符を購入して乗車する行為は「キセル乗車」に該当します。

当然ながら、キセル乗車は犯罪行為です。これに関しては、ベリーベスト法律事務所の記事『キセル乗車は犯罪! 無賃乗車や不正乗車が発覚したとき問われうる罪』でも次のように説明されています。

鉄道の不正乗車で成立する可能性がある犯罪は、次の4つが考えられます。

  • 鉄道営業法違反
  • 電子計算機使用詐欺罪
  • 軽犯罪法違反
  • 建造物侵入罪
ベリーベスト法律事務所『キセル乗車は犯罪! 無賃乗車や不正乗車が発覚したとき問われうる罪』より引用

キセル乗車が後日バレる理由

鉄道会社は不正乗車を食い止めるため、さまざまな対策を講じています。ここでは、キセル乗車が後日バレる理由について、2つの観点から説明していきます。

理由1 監視技術が進化している

第1に、鉄道会社はキセル乗車を見逃さないよう防犯カメラを完備しているため、後からバレる可能性があります。カメラの設置場所は駅によって異なっており、乗客が目視できる場所とは限りません。とりわけ、不正乗車が横行しやすい駅では監視に力を注いでおり、常習者は調査対象として見つけられる可能性があるでしょう。

また、今後AIによる画像認識機能が発達することによって、キセル乗車を取締る環境が強化されることも期待されています。すなわち、複数の撮影日を組み合わせることで不正乗車を行う犯罪者を特定する精度が高くなるなど、新しい技術によって発見する力が向上すると考えられるのです。

理由2 他の乗客が通報する

第2に、キセル乗車を目撃した他の乗客が通報する可能性があります。いうまでもなく、適切な運賃を支払っている人たちからすれば、キセル乗車で料金をごまかしている人たちに対してネガティブな気持ちを抱くのは自然なことです。事実として「不公平の極みである」と言ってよいでしょう。

だからこそ、明らかに不正乗車をしている人を見かけたら、鉄道会社や警察に容姿の特徴をはじめ個人を特定するのに必要な情報を提供する方もいるはずです。その結果、後からキセル乗車がバレるかもしれないわけです。実際、カメラ以上に第三者による監視は状況を細かく捉えているため、発見される確率が高くなり得ます。

キセル乗車がバレたらどうなるのか?

それでは、実際にキセル乗車がバレたら、どうなってしまうのでしょうか?

結論から言えば、キセル乗車がバレると、法律に基づき厳しい処罰や請求を受けます

具体的には、不正乗車が発覚した場合、まず鉄道営業法違反が成立し、「2万円以下の罰金または科料」が科される可能性があります。また、自動改札機を利用して不正に運賃を免れた場合には電子計算機使用詐欺罪となり、最大で「10年以下の懲役」という重い刑罰が科されることもあります。

さらに、駅構内に無許可で侵入した場合には軽犯罪法違反が適用され、「拘留または1万円未満の科料」が科される場合があります。不正な目的で改札内に入る場合は、建造物侵入罪が成立し、「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」に該当するケースもあるのです。

逮捕されるケースとしては、駅員や警察官による現行犯逮捕が代表的ですが、防犯カメラやICカードの履歴などから後日逮捕されることもあります。一方、逃亡や証拠隠滅の恐れがない場合は、在宅事件として任意捜査が行われることが多いです。また、鉄道会社が正規運賃の3倍にあたる割増運賃を請求し、それを支払うことで解決を図る場合もあります。ただし、長期間にわたる不正乗車や悪質なケースでは、和解が難しくなる可能性があります。

上記に関する詳細について知りたい方は以下の記事を参照してください。

寝過ごしてキセル乗車になったときの対処法

なお、キセル乗車を故意ではなく、寝過ごした結果としてやってしまう人もいます。そのような場合は、どうすればよいのでしょうか? 

これに関しては、不正乗車したことをごまかすのではなく、駅員に正直に申告することが重要です。多くの場合、不足運賃を支払えば問題ありません。これを「着駅精算」と呼び、不正をの疑いを未然に防ぐ適切な対応なのです。

寝過ごしは誰にでも起こり得るミスです。だからこそ、鉄道会社は誠実な乗客に対しては、寛容な対応をする場合が多いのです。素直に自身の過ちを報告し、駅員の指示を仰いでください。

無人駅でも必ずバレる

無人駅だからと言って、キセル乗車がバレないわけではありません。むしろ、不正乗車の温床になりやすい無人駅だからこそ監視が強化されているのです。もし、無人駅の管理だけ疎かになってしまえれば、鉄道の公平性は崩れてしまいます。公共交通インフラがそのような失態を看過するわけでありません。

「これくらい大丈夫」と考えるのは、世界を都合よく解釈する自分勝手な考え方に過ぎません。真面目に運賃を払っている人からすれば、不公平な行為ですから数百円のごまかしだからといって甘く見てはいけないのです。バレずに済んだ経験のある人たちもいるかもしれませんが、いずれはバレます。そのときに後悔するのでは遅いのです。

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この記事を書いた人

IKITECH編集部は交通(電車・SUICA・新幹線・飛行機)や郵便などの生活インフラを専門領域に記事形式で情報を伝達するプロフェッショナル集団です。生活インフラ分野に知見のあるライター、編集者、研究者、校閲者から構成されたチームで記事を制作しています。

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