中央線にグリーン車はいらない?迷惑と感じる理由やタダ乗りの実態を考察

中央線にグリーン車はいらない?迷惑と感じる理由やタダ乗りの実態を考察

2025年3月15日、JR中央線快速・青梅線において普通列車グリーン車の営業運転が正式に開始されました。

しかし、サービス開始から約3ヶ月が経過した現在、利用者からは「迷惑」「いらない」といった否定的な声が少なくありません。2024年10月から実施されていた「お試し期間」中にはマナー問題が顕在化し、有料化後もタダ乗りなどの問題が続発しています。

本記事では、中央線グリーン車に対する批判的な意見の背景と、実際に起きている問題について詳しく分析します。

目次

中央線にグリーン車はいらない?

結論から言うと、中央線のグリーン車導入には一定の需要があるものの、様々な問題により「いらない」と感じる利用者が存在するのが実情です。

JR東日本によると、グリーン車導入後の利用状況について「特に通勤時間帯の利用者の減少がみられますが、他線区と同等のご利用者数を維持しております」と発表されています。実際の混雑率調査によると、平日朝ラッシュ時の平均乗車率は約27%となっており15、他のJR東日本のグリーン車と比較しても標準的な利用率を示しています。

しかし、グリーン車導入により生じた問題も無視できません。特に通勤時間帯においては、グリーン車前後の車両(3号車、6号車)の混雑が増加し、普通車利用者の利便性に影響を与えているという指摘があります。また、ホーム上でのグリーン車停車位置の認知不足により、乗車時に混乱が生じるケースも報告されています。

中央線のグリーン車が迷惑と感じる理由

中央線のグリーン車が「迷惑」と感じられる理由は複数あります。

これから3つの主要な理由について詳しく説明します。

理由1:普通車の混雑悪化と乗車位置の混乱

最も大きな問題は、グリーン車導入により普通車の混雑が悪化し、ホーム上での乗車位置に混乱が生じていることです。

グリーン車は12両編成のうち東京寄りから4号車と5号車に連結されています。このため、グリーン車の両サイドにある3号車と6号車の混雑が特に深刻になっています。通勤ラッシュの時間帯では、グリーン車を利用しない乗客が限られた普通車に集中することで、以前よりも混雑が激しくなったという声が多数上がっています。

また、ホーム上でグリーン車の停車位置だと気づかずに電車を待っていた利用客が、電車の到着後に慌てて別の車両まで移動するという光景が頻繁に見られています。特に新宿駅では「5号車が階段の目の前で、1号車~3号車の待機列が非常に狭いため、1~3、6号車の混雑は以前より悪化している」という現場レポートもあります。

理由2:マナー問題と治安の悪化

お試し期間中から現在に至るまで、グリーン車内でのマナー問題が深刻化しており、車内環境の悪化が指摘されています。

2024年10月のサービス開始直後から、グリーン車内でのゴミ放置問題が顕在化しました。実際に撮影された写真では、「座席のポケットにおにぎりや菓子パンの食べかす、ビニール袋などのゴミが放置された様子」が確認されており、利用者からは「中央線グリーン車、ゴミを置いていく人がおって、さっそく治安が悪い」という声が上がっています。

この問題の背景には、お試し期間中はゴミ箱が使用できないように封鎖されていたことや、無料で利用できたため普段グリーン車を利用しない層が大量に流入したことが挙げられます。マナーの悪さは有料化後も継続しており、「普通車グリーン席は清掃しないで運行されるから東海道線とかもペットボトルかす残ったままはザラです」という他路線での類似問題も指摘されています。

理由3:料金体系への不満と費用対効果の疑問

グリーン車の料金設定に対する不満と、普通列車にも関わらず高額な追加料金を要求されることへの批判があります。

中央線グリーン車の料金は、Suicaグリーン券の場合、50kmまで750円、100kmまで1,000円、101km以上1,550円となっています。例えば東京駅から立川駅まで利用する場合、通常の乗車券659円に加えてグリーン料金750円が必要となり、合計1,409円の負担となります。

この料金設定について、利用者からは「普通列車グリーン料金は、特急の自由席より高くなる区間が目立つ。だから『特急と違って早く着くわけではないのに、別にカネ払うなんて意味ない』と考える人も多いのが現実だ」という専門家の指摘もあります。

実際に、東京~小田原間では普通グリーン980円に対し、特急踊り子930円、新宿~小田原間では普通グリーン980円に対し小田急ロマンスカー890円となっており、速達性のない普通列車の追加料金としては割高感が否めません。

中央線のグリーン車をタダ乗りしている人もいる?

グリーン車有料化後も、グリーン券を購入せずに乗車する「無賃グリーン乗車」が頻発しており、深刻な問題となっています。

2025年4月のSNS投稿では、「中央線のグリーン車乗る度に無賃乗車の人見過ぎてて…払ってんの馬鹿らしくなるから対策して欲しい」「中央線グリーン車始まってだいぶ経つけどグリーン券買わずにタダ乗りする奴何なん?乗るならちゃんと買えや」といった苦情が多数寄せられています。

タダ乗りが発生する背景には、グリーン車のシステムの特性があります。Suicaグリーン券を購入した場合、座席上の「グリーン券情報読み取り部」にタッチすることでランプが「赤(空席)」から「緑(着席)」に変わる仕組みですが、紙のグリーン券の場合はグリーンアテンダントによる車内改札後にランプが緑に変わります。

しかし、「駅間によってはグリーンアテンダントが来ず、車内改札が行なわれないまま下車してしまうケースもある」ため、赤ランプのまま座り続ける乗客が存在します。

さらに問題なのは、一部の乗客が意図的にタダ乗りを狙っていることです。SNSでは「『あわよくばタダ乗り狙い、しかしグリーンアテンダント来たら潔く払う』みたいなスタンスのおっさんは一定数いそう」という指摘もあり、確信犯的な無賃乗車が横行している実態が浮き彫りになっています。

この状況を受けて、「中央線のグリーン車ほんとに駅員めっちゃまわってくるな…まじで無賃乗車多いんだろうな」という声もあり、JR東日本側も対策を強化していることがうかがえます。また、一部の利用者が「『赤ランプ席へ着席』している旅客に対し、『不正乗車してますよね』と声を掛ける不審な人物が出没している」という報告もあり、利用者間でのトラブルも発生しています。

まとめ

中央線のグリーン車導入は、快適な移動手段を提供する一方で、多くの問題を抱えているのが現状です。普通車の混雑悪化、マナー問題、高額な料金設定、そして無賃乗車の横行など、利用者が「いらない」「迷惑」と感じる理由は多岐にわたります。

特に深刻なのは、グリーン車導入により普通車利用者の利便性が低下していることです。JR東日本は「総合的にみれば、利用客の利便性向上につながっている」としていますが、実際の現場では混雑の偏在化や乗車位置の混乱が続いており、改善が急務となっています。

今後、グリーン車サービスが真に利用者に受け入れられるためには、無賃乗車対策の強化、ホーム案内の改善、普通車の混雑緩和策の実施など、総合的な対策が必要となるでしょう。利用者のマナー向上とともに、JR東日本による運営面での改善が求められています。

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