LUUP設置のメリットとデメリット|収入はいくら得られる?

LUUP設置のメリットとデメリット|収入はいくら得られる?

LUUP(ループ)は電動キックボードや電動アシスト自転車によるマイクロモビリティのシェアリングサービスです。近年急速に都市部を中心に拡大しており、2025年3月時点で既に全国で1万2,000以上のポート(駐車拠点)が設置されています。こうしたLUUPのポートを、自分の所有地の空きスペースに設置するオーナーも増えつつあります。

地面に緑のラインで区画が示され、電動キックボードや電動自転車が並んでいます。LUUPの公式看板も設置され、利用者はこのような場所で乗り物の借り借置きを行います。普段使われていないデッドスペースを有効活用できる事例です。

LUUPポートのオーナーになれば、遊休スペースの活用による副収入や物件価値向上など様々なメリットが期待できます。一方で、設置にはデメリットや注意点も存在します。本記事では、LUUP設置のメリットとデメリットをそれぞれ詳しく解説し、さらに設置によって得られる収入の実情や導入方法を解説しています。

目次

LUUPの設置メリット

LUUPの公式プロモーションでは「導入費用¥0で物件価値UP」と謳われており、オーナー側の負担なしで物件の付加価値を高められることが強調されています。実際、LUUPポートを設置することには多くの利点があります。これから3つのメリットを説明します。

メリット1:初期費用ゼロで空きスペースを収益化できる

LUUPポート導入の最大の魅力は、オーナー側の費用負担がほぼ無いことです。空きスペースさえ提供すれば、導入費用・維持コストは一切かからずに済みます。設置に必要な機材の準備や施工、さらに車両のバッテリー交換や整備、盗難・事故対応、ユーザー対応といった運営管理はすべてLUUP側が実施し、オーナーは電気代すら負担する必要がありません。

つまり場所を貸し出すだけで良い仕組みになっています。

その代わりにLUUPからは、空きスペースの賃料のような形で「設置協力費」が毎月オーナーに支払われるケースが一般的です。この協力費はポートの立地条件や利用状況によって金額が変動しますが、基本的には毎月固定の副収入として安定的に受け取ることができます。

メリット2:物件価値や集客力の向上につながる

LUUPポートを設置することで、物件や店舗の付加価値を高める効果も期待できます。ポートがある物件は、最寄り駅から距離がある場合でも入居者に新たな移動手段を提供できるため、「駅から遠い」という弱点を補完できます。

実際に、「駅から離れた物件にポートを設置することで、入居希望者への移動手段の提供という付加価値をアピールでき、物件の魅力を高めることにつながります」と指摘されています。LUUP導入によって入居率の向上や家賃価値の維持に寄与する可能性があります。

また店舗の前にポートを置けば、周辺の住民や観光客など人の出入りが増えるきっかけとなり得ます。*「飲食店の前にポートを設置した場合、LUUP利用後にそのままお店に立ち寄ってもらえる可能性があり、店舗への集客効果が期待できる」とも言われています。

メリット3:地域の利便性向上や環境貢献になる

LUUPポートの設置は、オーナー自身の利益だけでなく地域社会や環境へのプラス効果ももたらします。まず、街中にポートが増えることで誰もが近距離の移動に電動キックボード・自転車を手軽に利用できるようになり、周辺住民の利便性が高まります。特に公共交通がやや不便な場所では、LUUPがラストワンマイルを補完するインフラとなり、地域全体の移動手段の選択肢が増える点は価値があります。

さらにLUUPの乗り物は自動車に比べCO2排出が格段に少ない電動マイクロモビリティです。ポートを設置し利用を促進することは、結果的に地域の環境改善や脱炭素にも貢献します。実際、LUUP導入は、「環境に優しい移動手段を提供することで地域の環境改善に貢献できる」メリットがあるとされています。

また、空きスペースへのポート設置は放置自転車や違法駐輪の防止策にもなり得ると言われます。実際に人が利用するポートとして管理されることで、今まで放置自転車が置かれていたような場所が整備され、違法駐輪がしにくくなる効果が期待できます。LUUPポート自体デザイン性の高いグリーンのサインや車両が設置されるため景観を損ねにくく、適切に運用すれば地域の美観や治安維持にも寄与するでしょう。

LUUPの設置デメリット

便利でメリットの多いLUUP設置ですが、一方で考慮すべきデメリットや注意点も存在します。ここからは代表的なデメリットを3つ説明します。

デメリット1:受け取れる収入額がそれほど大きくない

LUUPポート設置で得られる収入(設置協力費)は大きな金額は期待しにくい点に注意が必要です。支払われる協力費は立地や需要によって違うものの、一般的に比較的小さい額にとどまるケースが多いとされています。

実際、毎月安定した副収入にはなるものの大幅な利益向上には直結しにくいという声があります。つまり、LUUP設置による収益はあくまで「お小遣い程度」の少額の定期収入と考え、過度に利益を見込まない方が良いでしょう。

デメリット2:敷地の一部を占有し他の用途が制限される

LUUPポートを導入するには一定の広さのスペース提供が必要であり、それが他用途とのトレードオフになります。具体的には電動キックボードや自転車を約4台置ける分(自動販売機2台分程度)の空きスペースが求められます。

限られた敷地の中でその面積を割くことになるため、別の用途に使えなくなる制約が生じます。例えば、その場所を駐車場や物置、看板スペースなど他の収益手段に使いたい場合には、LUUPポート設置との比較検討が必要です。

また、一度ポートを設置すると継続的に一定スペースが占有されるため、将来的にレイアウト変更がしづらくなる可能性もあります。このように土地利用の自由度が下がる点はデメリットと言えるでしょう。

デメリット3:利用者増による騒音など近隣への配慮が必要

自分の敷地にポートを設置すれば、当然ながらその場所に人の出入りが増えることになります。LUUPの利用者や車両が増えることで、騒音や通行人の増加に対する近隣住民からの苦情が発生する可能性も考えられます。

特に深夜早朝など時間帯によっては、乗り降りの物音や会話が周囲の生活環境に影響を与える恐れがあります。実際、不動産管理会社がLUUP導入を検討した際も「朝早くや夜遅くに騒がしい利用やごみのポイ捨てなどが懸念された」と報告されており、事前に住民への説明やルール整備などの対策が講じられました。

また、不特定多数の人が敷地内に立ち入ることへの抵抗感を持つ近隣住民もいるかもしれません。例えばマンション敷地内にポートを設置すると、そのマンションの居住者以外も出入りすることになるため、防犯上・プライバシー上の配慮も必要です。

LUUP側でもデザインや運用面で景観に配慮し、トラブルが起きにくいよう取り組んでいますが、オーナーとしても周辺環境との調和や近所への説明責任を認識しておくべきでしょう。

LUUP設置で収入はいくら得られる?

メリット・デメリットでも触れましたが、LUUPポート設置による具体的な収入額(設置協力費)は公に明示されていません。LUUP公式サイト上でも「空きスペースの収益化」と謳うのみで、いくらの収入が得られるかはケースバイケースという扱いです。

そのため「だいたいいくら稼げるのか?」は多くの人が気になる点ですが、実情は物件の立地条件やポート台数、利用頻度等によって個別に決定されるようです。

一般的には前述の通り毎月定額の賃料的な協力費が支払われますが、その金額は数千円程度にとどまる例が多いと考えられます。実際、ある利用者がLUUP社に問い合わせたところ「キックボード4台規模のポートで月額約1,000円程度」の提示だったという情報もあります。もちろんこれは一例であり、都市部の需要が高いエリアでは多少高めの協力費が設定されるケースもあるようです。

実際のオーナーの声として、不動産オーナー向け情報サイトの事例では「通常オーナーが受け取れるのは月々の設置協力費のみだが、物件の立地が良かったためかポート設置時に礼金も支払われた」と紹介されています。

このケースでは初回振込額が日割り分の協力費と礼金を合わせ約2万4,500円になったとのことです。礼金(ボーナス)が出るのは珍しい例かもしれませんが、条件次第ではLUUP側が設置に際し一時金を払うこともあるようです。

まとめると、LUUP設置で得られる収入は月に数千円程度の副収入と考えるのが現実的でしょう。大儲けできるものではありませんが、前述したように利用者増による本業(物販・不動産収入)の売上アップなど間接的な利益も見込めます。

LUUP側も現在はポート拡大期であるため基本的には少額でも協力費を支払う方針のようですが、将来的な条件変動もあり得ます。具体的な金額を知りたい場合は、物件所在地やスペースの広さを添えてLUUPに個別問い合わせするのが確実でしょう。

LUUPの設置方法

実際に自分の敷地にLUUPポートを導入する手順は比較的シンプルです。導入コスト0円で始められるとはいえ、事前にスペースの条件確認やLUUP社との調整が必要になります。以下にLUUPポート設置までの基本的な流れをステップごとにまとめます。

  1. 設置場所の確認・候補提案: まず自分の敷地内でポート設置に適したスペースを洗い出します。前述の通り最低でも自販機2台分程度(約4台の車両が置ける)の平坦な空きスペースが必要です。候補となる場所が決まったら、その現場写真を撮影し、サイズ・地面の状況・周囲環境などの情報とともにLUUPに提案します。この時点では仮の候補としてLUUP側に相談し、適否についてフィードバックをもらう形になります。
  2. LUUPへの問い合わせ・相談: 設置候補が決まったら、LUUP公式サイトの「ポート設置のご相談フォーム」から問い合わせを行います。必要事項(設置場所の住所や所有者情報、希望ポート台数など)を記入し、先ほど撮影した候補スペースの写真を添付して送信します。LUUP側で内容を確認した上で、設置可能かや条件面について検討・返信が行われます。公式サイトにも「お気軽にご相談ください」とあるように、まずは問い合わせてみる段階です。
  3. 契約内容の確認・締結: LUUPから「設置可能」との回答が得られたら、具体的な契約手続きに進みます。LUUP社より提示される契約書の内容をオーナーが確認し、問題なければ締結します。契約書には設置スペースの使用許諾や管理責任の所在、設置協力費の支払い条件などが明記されています。納得できる内容か慎重に目を通し、同意の上で署名します。これで正式に設置申し込み完了となります。
  4. ポート設置作業: 契約締結後、LUUP側が実際のポート設置工事・準備を行います。と言っても大がかりな工事は不要で、地面に区画ラインテープを貼る、ポート看板を設置するといった比較的簡易な作業です。原則として設置作業はすべてLUUPスタッフが担当するため、オーナーが立ち会ったり負担したりする必要はほとんどありません。敷地の状況によって数日程度で完了し、早ければ設置完了から約1週間ほどで運用開始できるケースもあります。
  5. 運用開始とアフターフォロー: ポート設置が完了すれば、いよいよサービスの運用開始です。LUUPのアプリ上に新しいポートとして表示され、利用者がそこから乗り降りできるようになります。運用開始後の車両管理やバッテリー交換、清掃・メンテナンス、盗難・事故対応といった業務は引き続きLUUP側が実施します。オーナーは日常的な管理業務からは解放され、基本的に“見守るだけ”でOKです。LUUPから定期的に利用状況のフィードバック連絡が来ることもあり、それを参考に追加のポート増設を検討することも可能です。何か問題が起きた場合もLUUPのサポートに連絡すれば迅速に対応してもらえます。

まとめ:

LUUPポートの設置は、遊休スペースの有効活用策として注目を集めています。導入コスト0円で始められ、オーナーにとっては毎月の少額な設置協力費という安定副収入に加え、物件価値向上や集客アップ、地域貢献といった多面的なメリットが得られます。一方で、収入額自体は大きくなく敷地の占有や近隣対応などのデメリット・リスクもあるため、導入の際は総合的に判断することが重要です。

現在LUUPは都市部を中心に急速にサービスエリア・ポート数を拡大しており、2025年時点でコンビニ以上の高密度でポートが設置されている地域もあるほどです。同社も今後さらなる事業拡大を計画しているとされています。こうした動向を踏まえると、LUUPポートを設置することは単なる副収入源に留まらず、次世代インフラの一端を担う取り組みと言えるかもしれません。

空いているスペースをお持ちで、地域の活性化や入居者サービス向上にも関心があるオーナーの方は、LUUPポート設置を検討してみてはいかがでしょうか。メリット・デメリットを十分理解した上で導入すれば、余剰スペースの活用法として有益な選択肢となるでしょう。

公式サイトの相談フォームから問い合わせれば詳細な条件や収支シミュレーションも提案してもらえるため、まずは気軽に情報収集してみることをおすすめします。

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