みなさんの中には、「PayPayを使ってPASMOにチャージしたい」と考えている人たちもいるかもしれません。実際、キャッシュレス決済のツールが普及して、サービス間でのシームレスな送金やチャージができたら便利だと感じる人も少なくないはずです。
この記事では、「PayPayからPASMOにチャージできる?」という疑問についてPASMOの公式サイトを元に言及しています。また、既存のチャージ方法も紹介しているので、PASMOを使っている人たちは参考にしてみてください。
PayPayからPASMOにチャージできる?
PayPay残高からPASMOに直接チャージすることはできません。これに関しては、PASMOの公式サイトでも明示されています。
各種QRコード決済やキャリア決済を利用して、モバイルPASMOに入金(チャージ)や定期券購入を行うことはできません。
PASMO公式サイトより引用
なお、各決済サービス事業者や通信キャリアが発行するプリペイドカードを利用することで、QRコード決済サービスの残額によりお支払いや、携帯電話料金と合算でのお支払いができる場合もあります。
そのため、PayPayとPASMOはシステム連携されておらず、相互に送金することは難しいとされています。この背景には、異なるプラットフォーム間での送金やチャージが可能になると、マネーロンダリングなどのリスクが高くなることから、仕組みとして実現するのが難しいと考えられます。
PayPayからPASMOにチャージできるようになるのか?
2025年8月現在、公式にはPayPayからPASMOへのチャージ対応予定は発表されていません。おそらく、先述したリスクを鑑みて、これからも異なる決済アプリ間での送金が実現する可能性は低いと考えた方が良いでしょう。
過去には、セブン銀行ATMで複数の交通系ICへの現金チャージサービスが開始されるなど、他社インフラとの連携事例もあります。そのため、長期的には何らかの形でPayPayとPASMOを連携させる可能性はゼロではありません。
ただ、やはりお金が追いづらくなる仕組みを国として許容するのは大きなリスクになるので、利便性が優先される確率は低いと言わざるを得ないと推察されます。
PASMOのチャージ方法一覧【代替策や現行の方法】
PASMOには現時点で利用できる様々なチャージ方法があります。PayPay残高は使えませんが、以下のような手段でPASMOにお金をチャージできます。それぞれの方法と特徴を一覧にまとめます。
※ チャージ上限や利用条件は機器・事業者により異なります。最新の公式案内をご確認ください。
項目 | 要旨 | 解説 | 参考 |
---|---|---|---|
駅の券売機・チャージ機で現金チャージ | 最も一般的/領収書可。 | 鉄道駅の自動券売機/専用チャージ機にPASMOを挿入し、紙幣または硬貨で入金。金額は1,000円単位が基本だが、機器によっては10円単位の任意額指定も可。始発〜終電で利用でき、領収書発行も可能。※駅機器のチャージは残高2万円超分は不可。 | pasmo.co.jp / kotsu.metro.tokyo.jp |
バス車内・バス営業所で現金チャージ | 車内で1,000円札のみ。 | 路線バス車内でもチャージ可。乗務員へ申告し、運賃箱に1,000円札を投入して入金。営業所窓口での取扱いがある事業者も。※車内は千円札のみ/残高1万円以上は不可のため、必要に応じ事前に残高を調整。 | pasmo.co.jp |
コンビニ等の店頭で現金チャージ | 主要チェーン対応。 | セブン-イレブン/ローソン/ファミリーマート等のレジで「PASMOにチャージ」と依頼すればOK。店舗によりタブレット操作のセルフ式も。深夜営業店なら遅い時間も対応可。領収書が必要なら店員へ依頼。1回あたり上限は概ね2万円、複数回に分けての入金も可能。 | pasmo.co.jp / support.mobile.pasmo.jp |
銀行ATMで現金チャージ(セブン銀行ATMなど) | 電子マネーチャージ。 | セブン銀行ATMの電子マネーチャージメニューでPASMOを置き、紙幣を投入するだけ。1,000円単位・最大2万円まで入金可。24時間稼働の設置場所も多く便利。2020年以降、全国主要交通系ICへ順次対応。 | faqsearch.sevenbank.co.jp |
モバイルPASMO・Apple Payでクレカチャージ | アプリから即時入金。 | スマホ上のPASMOなら、モバイルPASMO(Android)やApple PayのPASMO(iPhone)で、登録済みのクレジット/デビットから直接チャージ。カードによってはポイント還元も(例:PayPayカードで1%還元の例)。※3Dセキュア未対応カードは登録・チャージ不可の場合あり。 | support.mobile.pasmo.jp / cc-moola.com |
オートチャージ・クイックチャージ(提携クレカ) | 残高不足を自動補充。 | PASMO提携のクレジットカード(例:TOKYUカード/京王パスポートカード等)に申し込み、改札入場時に残高が所定額未満なら指定額を自動入金(オート)。対象者は対応券売機でクレジット決済都度チャージ(クイックチャージ)も可。※オートは1日1万円・月5万円など上限あり。申込・設定は所定手続きが必要。 | pasmo.co.jp |
以上が現在利用できる主なチャージ方法です。それぞれ利便性が異なるため、自分の生活スタイルに合った方法を選ぶと良いでしょう。次に、PASMOにチャージする際に知っておきたい注意点を解説します。
PASMOのチャージで注意すべきこと【重要ポイント3つ】
PASMOへチャージする際には、いくつか注意すべきポイントがあります。
ここでは代表的な3つの注意点について説明します。
注意1:残高上限は20,000円まで!高額チャージに注意
PASMOに保存できるSF残高の上限は20,000円と決められています。そのため、一度に高額をチャージしすぎると、残高が2万円を超える部分は受付けられません。例えば、残高5,000円の時に2万円をチャージしようとしても、上限超過となりチャージできないのです。
これは駅券売機やコンビニ端末、ATMいずれでも共通の仕様です。こまめにチャージする場合でも、残高合計が2万円を超えないよう注意しましょう。
万一上限まで入っている状態で追加チャージが必要な場合、一度利用して残高を減らす必要があります。またバス車内では残高1万円以上だとそもそもチャージできない制限もあります。自動チャージサービス利用時も上限に達すると動作しないため、自分のPASMO残高は定期的に確認する習慣をつけましょう。
注意2:クレジットチャージはカード選び・設定に注意
スマホアプリ等でクレジットカードからチャージする場合、利用するカードの種類や設定に注意が必要です。まず、登録するカードは3Dセキュア(本人認証サービス)対応であることが推奨されます。
モバイルPASMOでは2022年以降、セキュア認証未設定のカードは登録時やチャージ時にエラーとなるケースがあります。PayPayカードを利用する場合、事前に公式サイトで本人認証サービスを設定しておきましょう。
さらに、誤解しやすい点として、「PayPayカード」と「PayPay残高(残高Visaカード)」は別物だということです。前者は一般的なクレジットカードなのでPASMOチャージに利用できますが、後者はPASMOチャージ目的には利用不可です。
これはPayPay社が残高の直接引き出し的な使い方を制限しているためで、たとえVisaブランドでも残高直結カードは交通系ICへのチャージに使えません。
注意3:チャージの取り消し・払いもどしは基本不可
一度PASMOに入金したお金は、原則として現金に戻すことはできません。チャージした残高は電車・バスの乗車や買い物にしか使えず、現金化や銀行口座への払い戻しは基本できない仕組みです。
したがって、チャージしすぎには注意し、必要な分だけ適切にチャージするのが鉄則です。ただし、例外的に「チャージ当日で未使用」の場合に限り、取り消し対応が可能です。
駅券売機で誤って希望額以上を入金してしまった場合、そのPASMOを持って駅窓口や定期券売り場に申し出れば当日中なら返金処理をしてもらえることがあります。
一度でも改札を通ったり買い物に使った後の残高は返金対象外です。この特例対応はあくまで救済措置であり、必ずしも全駅で即時対応してもらえるとは限りませんが、知っておいて損はありません。
直接のチャージは難しい
PayPayからPASMOに直接チャージすることは現状できず、代わりに本記事で紹介したような既存のチャージ方法を利用する必要があります。現金であれば駅やバス、コンビニ、ATMで手軽に入金できますし、クレジットカードを活用すればスマホから24時間チャージ可能です。
それぞれのメリットを活かしつつ、2万円の残高上限やカード設定などの注意点にも気を配りましょう。特に、PayPay残高を間接的にPASMOへ活かすにはPayPayカード(クレジット)を経由する方法が有効で、ポイント還元のメリットも得られます。
日々の通勤通学やお買い物が、よりスムーズでお得になることを願っています。
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