電車の飛び込み時に笑顔になる理由|ショックを受けたらすべきことを解説

もしかしたら、ホームから飛び降りた人を見かけてしまったという不運な人たちもいるかもしれません。なかには、これから飛び込もうとしている人の表情が笑顔だったことが気がかりで、今もなお胸の中がモヤモヤとしているなんてこともあるでしょう。

悲しいことに、電車の飛び込みによる自殺は全国各地で毎年のように発生し続けており、だれも止めることのできない厳しい社会問題となっています。この記事では、電車の飛び込み時に笑顔になる理由について考察しています。また、飛び込む瞬間を目撃してショックを受けた人たちがすべきこともまとめているので参考にしてみてください。

目次

電車の飛び込み時に笑顔になる理由

いうまでもなく、電車に飛び込む瞬間に本人が笑顔になるなんて恐ろしい話ですよね。冷静に考えると、死ぬ瞬間の表情を見るなんて機会は滅多にありませんから、動揺する人がほとんどに違いありません。真実は死者にしかわからないため、一概には言えませんが、そこには、どのような理由があるのでしょうか?

ここでは、考えられる3つの理由をまとめています。

理由1 苦しみから解放されて安堵している

第1に、苦しみから解放されて安堵したから笑顔になったのかもしれません

飛び込み自殺にまで追い詰められた人は日常的に強いストレスを感じていたに違いありません。病気の人もいれば、仕事や家庭に問題を抱えている人もいれば、自殺を選ぶ理由は人によって違います。

いずれにしても、その苦しみに対して「人生を終わらせる」という決断をしたときに、「もう悩まなくてよいんだ」と一種の開放感を覚える可能性があります。その結果、飛び込む瞬間に笑顔になった人がいても不思議はありません。

理由2 自分の人生をバカバカしく思っている

第2に、自分の人生をバカバカしく思っていることから苦笑いをした可能性があります

だれしもが人生を歩むなかで、最後が自殺で終わるだなんて思ってはいなかったはずです。周りが決めつけられることではないにせよ、自らの生命を断つのは不幸の結果としか言いようがありません。列車に飛び込もうとしている人もまた、自分が不幸だったことを強く実感している可能性はあります。

だからこそ、「無意味な人生だった」という虚無感が悲壮をまとった笑みとして表情に現れる人もいるのです。悲しいときに泣くのではなく、つい笑ってしまう人がいるように今まさに死ぬという瞬間においても自殺を選択する苦しみに直面したときに

理由3 最期くらい笑って死のうと決意している

第3に、最期くらいは笑って死のうと考えていたと推察されます

自殺を考える人の人生にも、苦しいことやつまらないことばかりではなく、楽しい瞬間や喜びの瞬間があったはずです。長期間の困難に耐え、辛抱強く頑張ってきた経験もあるでしょう。そうした経験から、「どうせ人生が終わるのだから、最期くらい自分らしく笑って死のう」と決意する人がいます。

このように、笑顔は単なる感情の表れだけでなく、自分自身の決意や覚悟を示す象徴でもあります。どんなに困難な状況でも、最後の瞬間くらいは自分の意志でコントロールしたい、という思いが生まれるのかもしれません。

飛び込みを目撃してショックを受けたらすべきこと

いうまでもなく、駅のホームで飛び込みする人を見ると、大抵の人がショックを受けます。ましてや、その人が笑顔で飛び込んだとなれば、ある種のトラウマになるケースもあるかもしれません。実際、精神的なダメージを受けたときはどうしたらよいのでしょうか?

その1 専門家に相談する

電車での飛び込み自殺を目撃した人ののなかには、相当なショックを受けている人たちもいるはずです。なかには、悪夢を見たり、不安な気持ちが治らなかったりすることもあるでしょう。その場合は、精神科医をはじめとする専門家に相談することをおすすめします。

やはり、プロの視点から専門的なアドバイスや治療を受けることによって、問題が深刻化するまえに対処できる可能性があるでしょう。「大袈裟すぎる」という印象を持つ人もいるかもしれませんが、心理的な問題は専門家に頼るのが最も適切な措置を講じることができます。

その2 家族や友人に相談する

家族や友人に自分が感じている不安を相談するのも重要です。ひとりで抱え込んでいると、ふとしたときに思い出して怖い気持ちが消えないおそれがあります。自分が信頼する人に話を聞いてもらうだけで安心できますから、思い切って話してみましょう。

「相手に迷惑をかけたくない」と思う人もいるかもしれませんが、他人に助けてもらった分、今度は自分が家族や友人の力になってあげればよいのです。人に頼ることも大切です。これを機会に支え合いの関係を構築することをおすすめします。

「他人に迷惑をかけるな」という人もいる

自殺をする人に対しては心配や気遣いが必要ですが、人身事故が起きると、電車の遅延や社会的な混乱など現実的な問題が生じます。このため、「他人に迷惑をかけるな」と考える人もいます。

例えば、受験会場に向かっていた学生が遅延の結果、テストを十分なコンディションで受けられたなかったり、仕事を頑張っているサラリーマンが顧客との打ち合わせに遅れたりするなど、具体的なトラブルに発展しかねないわけです。

また、人身事故では目撃者や運転士が精神的ショックを受けるケースも多く、退職や精神的ケアが必要になる場合があります。さらには、鉄道会社で働いている人たちも復旧作業を実施しなければならず、多くの人に悪影響を与えるおそれがあるのです。その意味では、他人に迷惑がかかる行為であるのは確かなことなのです。

電車の飛び込み事故はまだまだ続いている

電車に飛び込む自殺は、利用者や鉄道会社、そして家族など多くの人々に影響を与えるため、個人の問題だけでなく社会全体で取り組むべき課題です。例えば、鉄道会社は自殺防止のためにホームドアの設置や監視カメラの強化など様々な対策を講じています。

特に、効果的なのは「青色灯」の設置で、これは人の気持ちを落ち着かせる効果があるとされ、飛び込みを防ぐ手助けになっています。実際に、青色灯を設置した後の鉄道会社のデータでは、自殺者数が80%以上減少していることが確認されています。このように、電車の飛び込みへの取り組みを積極的に進めていますが、なくならないのが現状です。

また、電車への飛び込みだけでなく、全ての自殺者を減らすため、相談窓口の充実や精神的な支援体制の強化支援など、一人でも多くの命を救うための取り組みが大切です。令和5年度の自殺者数は21,837人と報告されており、これは決して他人事ではありません。日常生活で周囲の人々に気を配り、小さな兆候を見逃さないようにすることが重要です。この記事が、問題について考えるきっかけとなれば幸いです。

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この記事を書いた人

IKITECH編集部は交通(電車・SUICA・新幹線・飛行機)や郵便などの生活インフラを専門領域に記事形式で情報を伝達するプロフェッショナル集団です。生活インフラ分野に知見のあるライター、編集者、研究者、校閲者から構成されたチームで記事を制作しています。

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