新幹線のネット予約サービス「スマートEX」を利用していないのに、クレジットカード明細やメールで身に覚えのない請求が届くと驚いてしまいますよね。こうした事態にはいくつかの原因が考えられます。特に、スマートEXをかたるフィッシング詐欺メールも報告されており、注意が必要です。
本記事では、スマートEXから心当たりのない請求が発生する理由と、その対処法について解説します。公式情報の資料を引用しながら、実際の事例とともに対策を整理しますので、落ち着いて対応できるようにぜひ参考にしてください。
スマートEXから身に覚えのない請求が来たのはなぜ?
スマートEXから身に覚えのない請求が発生する原因として、以下のような可能性が考えられます。これから代表的な理由を順に説明します。
理由1:予約日と乗車日の勘違い
スマートEXでは新幹線の予約をした予約日=決済日となります。例えば、実際の乗車日は先でも、予約操作をした日付でクレジットカード決済が行われるため、乗車日と異なる日付に請求が発生します。
そのため、自分では「使っていない」と思っていても、過去に予約した日付をカード明細で見落としている可能性があります。まずは、冷静にスマートEXの利用履歴を確認し、その請求が本当に自分の予約に心当たりがないか再チェックしましょう
理由2:クレジットカード登録時の1円認証
スマートEXにクレジットカードを登録した際、カード会社から1円の仮請求が発生することがあります。これはカードが有効か確認するための「1円オーソリ」であり、実際に1円が引き落とされるわけではありません。
クレジットカードの場合は請求に上がるだけで払い戻され、デビットカードやプリペイドカードの場合はいったん引き落とされても後で自動返金されます。一時的なチェックなので心配いりません。1円の請求通知だけを見て「不正利用かも?」と焦らず、少し時間を置いてから明細を確認するようにしましょう。
理由3:家族や同居人の利用
ご家族や同居人があなたのクレジットカードでスマートEXを利用したケースも考えられます。
例えば、夫婦や家族でカードを共有している場合、自分以外の予約であってもカード名義人の明細に請求が来ます。家族に確認し、誰かが代理で予約を取ったりしていないか確認しましょう。実際に利用履歴に記録があれば、不正ではなく家族の利用だったという安心材料になります。
理由4:クレジットカードの不正利用
第三者によるカード情報の悪用でスマートEX経由のチケット購入に使われてしまった可能性もあります。近年、フィッシング詐欺などで盗み取った他人名義のクレジットカード番号を使い、スマートEXで大量の新幹線チケットを不正発券するといった事件も発生しています。
例えば、2022年には、盗んだカード情報でスマートEXに予約を入れ、券売機で新幹線切符103枚(約145万円相当)を発券した容疑で犯人が逮捕されるという重大な事例もありました。

このように、カード情報さえあれば他人があなたのカードでスマートEX予約をできてしまうため、利用履歴にない請求があれば不正利用を強く疑うべきです。心当たりが全くない高額な請求が急に発生した場合は、カード情報漏えいによる不正決済の被害である可能性があります。
理由5:スマートEXを装った架空請求
実際には、スマートEXを使っていないのに、「料金未納」などと称する偽の請求メールやSMSが届くケースもあります。これはサービスを騙っただけで実際の請求ではなく詐欺です。
送り主は全く無関係の第三者であり、支払いを促す文面や偽の予約内容が書かれているだけの場合があります。後述するフィッシング詐欺メールの項で詳しく触れますが、本物のスマートEXから直接請求書が郵送されたりメールで支払いを求められたりすることは基本的にありません。
公式の利用料金はすべてクレジットカード決済で処理されるため、「振込で払え」等の要求はスマートEXからは行われないのです。このような身に覚えのない請求メッセージは架空請求詐欺と考え、決して相手の指示に従わないでください。
スマートEXで身に覚えのない請求が来た時の対処法
スマートEXに覚えのない請求が発生した際は、まず落ち着いて順序立てて確認・対応することが大切です。ここでは基本的な対処の流れを説明します。
方法1 スマートEXの利用履歴を確認する:
まず最初に行うべきは、公式サイトやEXアプリで自分の予約履歴をチェックすることです。
スマートEXのFAQでも「身に覚えのない請求があった場合、まず利用履歴を確認してください」と案内されています。
予約日時=決済日時であるため、カード明細に記載の請求日付と同じ日付の予約がないか探しましょう。過去の予約や変更・払戻履歴も含めて確認し、それでも該当がなければ不正利用の可能性が高まります。
方法2 クレジットカード会社にすぐ連絡する
利用履歴に該当する取引が見当たらない場合や、不正利用が疑われる場合は、ただちにクレジットカード会社に連絡してください。これは国民生活センターも「利用した覚えのない請求があったら、すぐにカード会社にその旨を連絡してください」と注意喚起しています。
スマートEX公式も、利用履歴に表示されない請求についてはサービス側では調査できないためカード発行会社へ問い合わせるよう案内しています。
カード会社に連絡し事情を伝えれば、不正利用の調査や支払い停止措置を講じてくれます。クレジットカードの一般的な仕組みでは、加盟店で売上の「承認」後に「確定」処理が行われて請求が発生します。不正利用が判明した場合、カード会社は請求を取り消したり返金対応してくれることがほとんどです。被害を最小限にするために、一刻も早くカード会社の紛失・盗難窓口に連絡し、状況を報告しましょう。
方法3 請求元に直接連絡や支払いをしない
覚えのない請求があっても、相手にこちらから連絡したり支払ったりしないことが基本です。国民生活センターのFAQでも「詐欺の疑いがあるので、相手に連絡したり料金を支払ったりしてはいけません」と強調されています。
とりわけ、メールやSMSで「未払い料金がある」「至急支払いを」といった通知が来ても、それ自体が詐欺の可能性が高いです。心当たりがない限り無視し、後述のように本物かどうか見極めましょう。万一、連絡してしまうと、相手に電話番号やメールアドレスなどの個人情報を伝えてしまうことになり、
更なる詐欺被害につながりかねません。不安でも相手の指示に従って行動しないことが重要です。
方法4 公的機関や専門窓口に相談する
自分では対処に迷う場合や被害に遭ってしまった場合、早めに公的な相談窓口に相談しましょう。消費者ホットラインに電話すれば、最寄りの消費生活センターでアドバイスを受けられます。
消費生活センターでは架空請求やフィッシング詐欺の相談に日々対応しており、適切な対処法や警察への届出が必要かどうかなど助言してくれます。また、被害金額が大きかったり個人情報を悪用された形跡がある場合は、警察に被害届を出すことも検討してください。
実際に不正利用が発生した場合、警察が捜査して犯人が逮捕されたケースもあります。専門機関に相談することで、今後の被害拡大を防ぎ安心につなげることができます。
本物と偽物の請求の見分け方
最後に、スマートEXからの本物の通知や請求と、第三者が送ってくる偽物(詐欺)の請求を見分けるポイントをまとめます。
※ 送信元は参考情報。内容で真偽を判断し、怪しいリンクは開かず公式サイトへ直接アクセスして確認しましょう。
項目 | 要旨 | 解説 | 参考 |
---|---|---|---|
公式の連絡手段を知る | 正規ドメインを確認。 | 正式メールの送信元はyoyaku@expy.jp または info@mail.travel.expy.jp(JR東海グループの正規ドメイン)。ただし送信元偽装もあるため、アドレスだけで安心しない。最終的には内容で判断する。 | smart-ex.jp |
メール内容の違い | 心当たりある通知のみ。 | 本物は自分の操作に対応した通知のみ送付。身に覚えのない予約完了やID/パス入力を要求するリンク・添付は公式では送らない。クレカ番号やパスワードをメールで求めることはない。 | smart-ex.jp / dekyo.or.jp |
不自然な点がないか確認 | 宛先/件名/URL。 | 宛先に自分以外が入っている、差出人が無関係な個人名、件名末尾の余計な記号などは要注意。本文リンクをホバーしてsmart-ex.jp / expy.jpで終わるか確認(余計な文字列は偽サイト)。心当たりのない予約は公式サイトに直接ログインして予約の有無を確認。 | ameblo.jp |
請求手段の違い | 振込/プリペイド要求は詐欺。 | スマートEXの正規料金は登録クレジットカード決済のみ。口座振込やコンビニで電子マネー購入などの要求は100%詐欺。年会費もかからないため「会員費未納」も虚偽。根拠のない請求は支払わない。 | faq.kokusen.go.jp |
以上のポイントを押さえておけば、本物と偽物の請求をかなりの確率で見極められるはずです。少しでも「あれ、おかしいな?」と思ったら安易に従わず確認するクセをつけ、自己防衛に努めましょう。
怪しいメールは開かずに消す!
スマートEXに身に覚えのない請求が来ても、決して慌てないでください。まずは、公式情報をもとに冷静に事実関係を確認し、必要な対処(カード会社連絡や関係機関への相談)を速やかに行いましょう。幸いクレジットカードには不正利用時の補償制度がありますし、公的機関もサポートしてくれます。
一方で、スマートEXを装った悪質な詐欺メールが届くこともありますが、そのようなメールは「開かずに消す」のが一番の防御策です。不審なメールは最初から信用せず削除し、リンクを踏まない限り被害に遭うことはありません。
万一クリックしてしまっても、今回ご紹介した対処法を実践すれば被害を食い止められます。インターネット上の詐欺手口は巧妙化していますが、最後は私たち利用者一人ひとりが「絶対に油断しない」姿勢で挑むことが何よりの安全策です。
公式の案内や専門家の情報を参考に、身に覚えのない請求には落ち着いて毅然と対応しましょう。そして「おかしい」と感じたメールや請求は開かずに迷わず削除する——これを習慣づけて、大切な情報とお金をしっかり守ってください。
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