みなさんのなかには、Suicaを発行する際に、「記名式と無記名式のどちらがよいのか?」について悩んでいる人たちもいるはずです。交通系ICカードは電車やバスなどの交通インフラを利用するうえでも必須のアイテムになっているからこそ、それぞれのメリットとデメリットを踏まえたうえで、適切な判断を行いたいですよね。
この記事では、Suicaの記名式と無記名式の違いについて考察しています。また、「どっちが便利なのか?」という疑問にも回答しているので、これからSuicaを作成しようと考えている人たちは参考にしてみてください。
Suicaの記名式と無記名式の違い
Suicaの記名式と無記名式では、利用できる機能や紛失時の対応に大きな違いがあります。
以下の表で主な違いを確認してみましょう。
機能 | 記名式(My Suica) | 無記名式 |
---|---|---|
紛失時の再発行 | 〇 | ✕ |
JRE POINT | 〇 | ✕ |
家族との共有 | ✕ | 〇 |
発行手続き | 時間がかかる | すぐに発行可能 |
オートチャージ | 〇 | ✕ |
記名式と無記名式を比較したときに、もっとも大きな違いは紛失時の対応です。記名式のSuicaは登録情報をもとに再発行できることに加えて、原則としてチャージ残高も保護されます。けれども、無記名式のSuicaは紛失すると再発行できません。そのため、落としたときの状態で見つからなければ残高も失われることになります。
また、記名式ならJRE POINTが貯まり、オートチャージも利用できるため、日常的に使用する方にとってはお得な機能が揃っていると言えます。一方で、家族でSuicaを共有して使用することを考えている場合は、記名式は本人以外の利用は禁止されているので、無記名式のSuicaが適しています。
記名式のメリットとデメリット
以上の違いを踏まえたうえで、記名式のSuicaが有するメリットとデメリットを整理しました。
記名式のメリット
記名式のSuicaを使用するメリットは大きく3つあります。
- メリット1 紛失しても再発行可能で、チャージ残高も引き継げる。
- メリット2 JRE POINTが貯まり、お得にお買い物ができる。
- メリット3 オートチャージ機能で残高切れの心配がない。
本人性を有するSuicaだからこそ、それをベースにした各種特典を得られるのは大きな利点です。公共交通機関を継続的に利用するならば、記名式を選択するのが無難であると言えます。
記名式のデメリット
一方で、記名式のSuicaにもデメリットは存在します。
- デメリット1 発行時に本人確認が必要で、手続きに時間がかかる。
- デメリット2 本人以外は使用できないため、家族で共有できない。
- デメリット3 払い戻しには本人確認が必要になる。
持ち主が個人に限定されるがゆえに手続き上の手間が発生するのは難点であると言えます。
無記名式のメリットとデメリット
さて、無記名式のSuicaには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
無記名式のメリット
無記名式Suicaのメリットは大きく3つあると考えられます。
- メリット1 面倒な手続きをせずに発行できる。
- メリット2 家族や友人と自由に共有できる。
- メリット3 個人情報の登録が必要ないのでプライバシーを守れる。
記名式とは違って、購入者の情報がブラックボックス化されているため、柔軟な使い方ができるのは大きな利点と言えるでしょう。特に、個人情報の管理を徹底したい人にとっては嬉しいサービスかもしれません。
無記名式のデメリット
逆に、無記名式のSuicaにも欠点はあります。
- デメリット1 紛失時は再発行不可でチャージ残高も失われる。
- デメリット2 JRE POINTサービスが利用できない。
- デメリット3 オートチャージ機能が使えない。
本人性が明らかになっていない分、落としたときのリスクは高くならざるを得ません。加えて、関連サービスも利用できないので、Suicaを頻繁に使用する人たちにとっては機会損失になるといえるでしょう。
記名式と無記名式のどっちが便利なのか?
記名式と無記名式の利便性は目的に応じて変化するため、必ずしも甲乙をつけづらいのが実情です。
けれども、総合的に考えたときに、やはり記名式のSuicaは関連サービスが充実しているので便利であると言えます。特に、紛失時に残高を引き継げたり、ポイントが溜まったりするのは経済的にも大きい利点です。
無記名式は他人と共有して使えるというメリットはあるものの、公共交通機関を日常的に使う人たちにとっては他者と共有して利用するというシーンは想定しづらいです。今後のことを考えたら、1人1アカウントを発行して自分のSuicaを所有していたほうが便利です。
以上のことからも、これを機会に記名式のSuicaを登録することをおすすめします。
Suicaの移行手続き
なお、記名式から無記名式、無記名式から記名式に切り替えるときに必要な移行手続きについて解説します。
記名式から無記名式に変更する場合
残念ながら、記名式のSuicaを無記名式に変更することは不可能です。これに関しては、JRの公式HPでも次のように記載されています。
My Suica(記名式)をSuicaカード(無記名)に変更はできません。
JR東日本『My Suica(記名式)を無記名Suicaに変更することはできますか。』
そのため、新しく無記名式のSuicaを購入するしかないのが現状です。しかしながら、2024年12月現在、無記名式のSuicaは販売中止になっているので買えません。JRの公式HPで情報が更新されるまで気長に待ちましょう。
無記名式から記名式に変更する場合
嬉しいことに、無記名式のSuicaを記名式に変更することは可能です。JRE POINTのよくある質問に回答するページにも次のように記載されています。
Suicaエリア内にあるJR東日本の駅の「多機能券売機」設置駅の駅員にお声掛けいただくかお近くのみどりの窓口にお越しいただくことで無記名のSuicaを記名式のSuica(My Suica)にご変更いただくことができます。記名式Suicaの詳しいご案内はJR東日本Suicaの種類をご確認ください。
JRE POINT公式HP『無記名のSuicaを記名式Suicaに変更することはできますか』
無記名式のSuicaを持って、みどりの窓口に行きましょう。ただし、個人情報の登録など手続きに手間がかかるので、時間に余裕のあるときに実行することを推奨します。
用途に応じて選択しよう
2024年現在は、半導体不足の影響でSuicaの新規発行は記名式のみとなっていますが、それぞれの特徴を理解しておくことは大切です。
記名式Suica
- 通勤・通学で定期的に使用する方
- セキュリティを重視する方
- ポイントサービスを活用したい方
無記名Suica
- 家族での共有を考えている方
- 手軽に発行したい方
- プライバシーを重視する方
このようにそれぞれにメリット・デメリットがあるので、ご自身の利用スタイルや好みに合わせて選んでみてください!
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