チケットレス特急券が安い理由|メリットとデメリットも紹介

チケットレス特急券が安い理由|メリットとデメリットも紹介

チケットレス特急券とは、インターネット予約によって紙の特急券を受け取らずに特急列車に乗車できるサービスです。JR東日本・JR北海道の一部在来線特急で導入されており、乗車券は交通系ICカード等で別途支払います。

駅窓口で購入する通常の特急券より割安に設定され、事前のきっぷ受取も不要でスムーズに乗車できるのが特徴です。本記事では、チケットレス特急券が安い理由や、そのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。(チケットレス特急券の安さの背景や利点・欠点を知り、上手に活用しましょう。)

目次

チケットレス特急券とは?

チケットレス特急券は、紙の指定席特急券を発券せずにそのまま乗車できる電子特急券のことです。 JR各社のインターネット予約サービスで購入でき、対応する特急列車では駅で切符を受け取らずに直接乗車できます。

通常、乗車時には乗車券(運賃)と特急券の両方が必要ですが、チケットレス特急券は特急券部分のみをデジタル化した商品です。乗車券については、ICカード乗車や別途購入が必要となりますので注意しましょう。

例えば、JR東日本では「あずさ」「ひたち」「成田エクスプレス」など主要な在来線特急列車に設定があり、JR西日本でも「サンダーバード」「くろしお」などほぼ全ての在来線特急でチケットレスサービスが利用可能です。事前に会員登録(無料)とクレジットカード決済が必要ですが、予約後は駅の券売機や窓口に立ち寄ることなく特急に乗車できる便利な仕組みです。

チケットレス特急券が安い理由

チケットレス特急券の料金が安く設定されているのは、鉄道会社がオンライン予約への移行を促進するため特別な割引価格を設けているためです

その背景には、JR各社がデジタル化による業務効率向上とコスト削減を図っている事情があります。例えば、JR東日本は中期経営ビジョン「変革2027」2019年度比1,000億円のオペレーションコスト削減を掲げ、窓口業務縮小とネット予約の拡大を戦略的に進めています。

こうした方針のもと、オンライン利用者に対するインセンティブとしてチケットレス特急券の割引料金が導入されました。実際、JR東日本の会員限定商品「トクだ値」では特急券が通常より35%割引になるなど、ネット予約限定の大幅割引が設定されています。

また、早期予約割引(早特)や間際予約割引といった動的な価格設定もチケットレスサービスならではの特徴です。例えばJR西日本のe5489では乗車7日前までの予約で割安になる「WEB早特7」や、乗車前日・当日購入でも適用される直前割引の商品が用意されており、空席を効率的に埋めるためネット限定の格安料金が設定されています。

このようにチケットレス特急券が安い理由は、鉄道会社側のコストメリットを利用者に還元してオンライン予約を促す戦略にあり、結果として利用者は通常より安い特急料金で乗車できるのです。

チケットレス特急券のメリット

チケットレス特急券には、従来の紙の特急券にはない利点が多数あります。ここでは代表的なメリットを3つ紹介します。

メリット1:特急料金がお得になる

チケットレス特急券最大のメリットは、特急料金が割安になることです。 紙の特急券と比べて所定の料金から一定額または割合で値引きされており、同じ列車に安く乗車できます。

例えば、JR東日本の在来線チケットレス特急券では主要特急が1席あたり100円引きに設定され、さらに「チケットレス特急券(トク割)」なら通常料金の35%オフと大幅な割引になるケースもあります。実際に特急「ときわ」(上野〜水戸間)では通常1,580円の指定席特急券がチケットレス特急券なら1,020円(35%引き)となり、560円も安く乗車できます。

また、JR西日本のe5489では、チケットレス特急券は通常の指定席特急料金より一律200円引き(J-WESTカード会員専用の「eチケットレス特急券」は640円引き)に設定されており、区間に関係なく常に割引価格で購入できます。

繁忙期でも割引後の料金は変わらず、逆に通常期料金が上がる最繁忙期ほど割引の恩恵が大きくなるのも特長です。このようにチケットレス特急券を利用すれば、特急料金を節約できるため旅行コストを抑えられます。

メリット2:切符受取の手間が省ける

紙の切符を受け取る手間が不要になる点も大きなメリットです。 従来は指定席券売機やみどりの窓口で特急券を発券して受け取る必要がありましたが、チケットレス特急券ではその作業自体が不要です。予約購入後は乗車当日になれば、そのまま改札を通って特急に乗車可能です。

具体的に言うと、JR東日本の在来線チケットレス特急券なら、事前にえきねっとで予約・決済しておけば当日はSuicaなどICカードでそのまま改札を通過できます。乗車前に駅窓口や券売機に立ち寄る必要がないため、列車出発直前の時間を有効に使えるでしょう。ネット予約サービス「えきねっと」は毎日5:00~翌1:50まで予約受付が可能で、深夜帯でも特急券を手配できます。

一方、駅のみどりの窓口は営業終了時間が20時台のことも多く、繁忙期には行列も発生しがちです。チケットレス特急券であれば駅で並ぶ時間ゼロでスムーズに乗車準備が完了するため、忙しいビジネス出張や子連れ旅行でも負担が軽減されます。

メリット3:予約・変更がオンラインで簡単

インターネット予約ならではの利便性もチケットレス特急券の魅力です。 パソコンやスマートフォンから24時間近く予約手続きができ、空席照会や座席指定も画面上で完結します。

急な予定変更にも柔軟に対応でき、えきねっとやe5489では予約後でも発車時刻まで列車や座席の変更がオンラインで可能です。紙の切符と違い、発券前であれば何度でも予約内容を変更できるため、旅程が不確定な場合でも安心です。

さらに、ポイントサービスの恩恵も見逃せません。JR東日本ではえきねっとで予約するとJRE POINTが通常より高い還元率で付与される優遇策があり、JR西日本でも独自のWESTERポイントを貯めて特急券代に充当できます。

チケットレス特急券のデメリット

便利でお得なチケットレス特急券ですが、利用に際して注意すべきデメリットも存在します。最後に代表的な3つの欠点を説明します。

デメリット1:事前準備(会員登録・決済)が必要

チケットレス特急券を利用するには、事前の登録や決済手続きが必須となります。

具体的には各社のオンライン予約システム(えきねっと、e5489など)に会員登録し、クレジットカード情報を登録しておく必要があります。現金では購入できずクレジットカード決済のみに限定されるため、カードを持たない人やネット決済に不慣れな人にとってハードルとなるでしょう。

また、乗車券と特急券が別扱いになるため、チケットレス特急券購入時に乗車券部分まで同時には予約できません。乗車券は自分で別途用意する必要があり、最初は戸惑うかもしれません。

デメリット2:利用できる列車・割引の制約

チケットレス特急券は利用可能な列車や併用できる割引に制限があります。 このサービスはJR東日本・北海道、JR西日本など各社ごとに提供エリアや対象列車が決まっており、すべての特急列車で使えるわけではありません。

例えば、JR東日本では在来線特急のみ対象で、JR東海管内の特急など一部エリアではチケットレス対応がありません。さらに他の割引との併用不可という制約もあります。えきねっとのチケットレス特急券では「大人の休日クラブ」や「学生割引」などの各種割引券を組み合わせることができません。

また、往復割引乗車券の適用を受けたい場合、一体的な経路計算ができる紙のきっぷの方が有利になるケースもあります。

このように、サービス適用範囲の限定従来割引との両立不可はデメリットと言えます。チケットレス特急券を利用する際は、自分の乗りたい列車が対応しているか事前に確認し、他の割引特典との損益も考慮する必要があります。

デメリット3:端末トラブル時のリスク

スマートフォンなど電子端末に依存する分、トラブル時のリスクもあります。 チケットレス特急券では乗車前に紙のきっぷを持たないため、列車内で車掌に特急券の提示を求められた際はスマホで予約画面を提示する必要があります。

もし端末の電池切れや故障、紛失などで購入履歴をその場で表示できない場合、その場では特急料金を再度支払わなくてはなりません。

スマホの充電が切れてしまい予約情報を証明できない場合、車内で新たに特急券を購入(車内扱い料金)し、後日元の予約分の払い戻し手続きを行う必要があります。その際、払い戻しには所定の手数料が差し引かれるため実質的な損失が生じてしまいます。複数人数で利用する際も、予約者以外の同行者は紙の券を持たないため、検札時には予約者のスマホで全員分の予約詳細を見せる必要があります。

チケットレス特急券を有効活用しよう!

チケットレス特急券は、「安さ」と「手軽さ」を両立した新しい特急券のスタイルです。紙のきっぷを発券せずにスマホひとつで特急に乗れる手軽さに加え、通常より割安な料金設定やネット予約限定のポイント還元など、利用者に嬉しいメリットが数多くあります。

一方で、事前登録やクレジットカード決済が必要であること、サービス対象列車や適用割引に制限があること、端末トラブル時のリスクなどのデメリットも存在します。

これらのメリットとデメリットを正しく理解した上でチケットレス特急券を活用すれば、時間とコストを節約しながら快適に特急列車の旅を楽しむことができるでしょう。

今後もデジタル化の進展によって対応列車やサービスが拡充される可能性があるため、最新の公式情報を確認しつつ上手に使いこなしてください。

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